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『猪熊弦一郎展 猫たち』@Bunkamuraザ・ミュージアム

猪熊弦一郎展 猫たち@Bunkamuraザ・ミュージアム やっぱりやっぱりすごかった。

自分は、猪熊弦一郎さんの晩年の絵がもともとすごく好きなんです。 女性の顔がたくさん書かれたような絵を晩年に書き始める。 この不思議な図案は、奥様が先に亡くなくなられ、悲しくて悲しくて、悲しみのあまり愛する人が猪熊弦一郎さんの中にあふれ出してきて、その溢れ出るものを永遠の相に位置付けるように描いているように感じられる絵なんですよね。

この絵を最初に見て、ズキュンとやられまして、その後、猪熊さんの絵を熱心に見るようになり、猫の絵も前期に溢れていることを知りました。

今回の展示のキャプションを見て初めて知ったのは、奥さんに一目ぼれして結婚して、その奥さんが大の猫好きで、そこから家で猫を飼うようになった、ということ。猫がすこしずつ家に増えてきて、すこしずつ猫を好きになり、最後には猫の虜になる。むしろ家族になる。生活に溶け込んだ愛する猫たちを、まるで息をするようにデッサンし続けた。そんな呼吸のような猫の絵が本当に自然体で美しかった。

猪熊弦一郎さんが具体から抽象へと移行していく時期の絵が、今回の展示で大きなインパクトを受けた。 そして、ニューヨークで絵の武者修業をしていたとき、一気に画風がモダンになるんですが、その時は絵から猫が消えるんです。

晩年、彼の描く人物像はきわめて抽象的で極限まで線がそぎ落とされながら、愛くるしい不思議な魅力をたたえた人たちを描くようになるんですが、まさに埴輪や土偶のような美しさなんですよね。

古代の人たちは、なんだかみんな猪熊弦一郎さんみたいな人たちだったのかもしれないな、と思いつつ見ました。 グッズもセンスがいいものばかりだった。 お土産好きには頭が痛いほど悩んでしまうかもしれない。

猪熊さんの描く人物像が岡本太郎のように古代的で抽象的な図案になっていったからこそ、どんな商品も無理なくフィットしていく。

そんな猪熊弦一郎の絵には、きっと絵なんてよくわからんわー、という人でも、きっと胸にズキュンと来ることうけ合いです。

普段絵を観に行かない人こそ、見に行ってほしい。 きっと、絵というものすべてが好きになると思います。

そんな不思議な魅力にあふれた『猪熊弦一郎展 猫たち』、最高の展示でした。 終わるまでにもう一回観に行こうっと。4月18日までなので急いでー!

 

『猪熊弦一郎展 猫たち』@Bunkamuraザ・ミュージアム 会期:2018年3月20日(火)~4月18日(水) 開館時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は21:00まで) 開催期間 2018/3/20(火)-4/18(水)

(おまけの宣伝)

→4/11水曜のこちらもぜひ!

【アート|坂本美雨+稲葉俊郎 トークイベント】 《銀座美術夜話会―もっと展覧会を楽しむために 第11話》 『猪熊弦一郎のおもちゃ箱』刊行+猪熊弦一郎展「猫たち」開催記念トークイベント&ライブ 坂本美雨+稲葉俊郎 モデレーター滝口明子 にゃんとも素敵な猪熊さん!!ー愛しているから描きたい。 小学館より刊行の『猪熊弦一郎のおもちゃ箱』、そして現在、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「猪熊弦一郎展 猫たち」。今回は、猪熊愛あふれる坂本美雨さんと稲葉俊郎さん、そしてモデレーターに同館美術館 学芸員の滝口明子さんをお迎えし、猪熊弦一郎の作品と生き方、そして哲学を掘りさげることで、猪熊弦一郎の魅力に迫ります。 さらに、坂本美雨さんにアカペラで歌っていただきます!ぜひ、全身で猪熊弦一郎の魅力を感じにいらしてください。 日時:2018年4月11日(水) 19:30~21:30/定員:50名 https://store.tsite.jp/ginza/event/art/2105-1626280402.html

●猪熊弦一郎87歳の青春01 1989年 GuenIchiro Inokuma

●猪熊弦一郎87歳の青春02 1989年 GuenIchiro Inokuma

●「私の履歴書」猪熊弦一郎 Guen Inokuma 1988年

猪熊弦一郎さんが生まれた香川県丸亀市。 この近くに、日本最高峰の温泉!仏生山温泉もありますので、ぜひ行ってほしい。

MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館も丸亀にあります。(〒763-0022香川県丸亀市浜町80-1)

仏生山温泉は旧ブログにも書いていますので、ご参考に・・・。

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