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身体という内なる自然

小平奈緒さん、結果も含め、特に顔つきが素晴らしかった。

人の生き様は、顔に出る。

高い集中力。

と同時に、その集中を時と場合によって分散し発散させ、

集中と緩和とを共存させている表情をしている。

小平奈緒さんの今の所属は相沢病院。 自分も研修医時代、松本の相沢病院で働いていたので、なんだかうれしい。 ほんとうに働きやすいActiveな職場だった。

1日300件の救急患者、20-30台の救急車が来る病院で、

1年目、2年目、3年目のレジデントが屋根瓦式に助け合いながら、

全員が最前線で頑張って診療していたのが懐かしい。

脳梗塞も外傷も、超早期からリハビリを導入していて、

スタッフにもウィンタースポーツの達人が多かった。

そうしたことも小平奈緒さんを受け入れる土壌になっていたと思う。

相沢院長、本当に太っ腹な男だなぁ!しかも先見の明がある!

昔はこうした懐の大きい人っていたんでしょうね。

お金をこうした形で社会に還元していく、というのは素晴らしい。

お金が物質からエネルギーに形を変え、

みんなに「希望」という形で、身体の奥深くに入り込んでいるのだから。

アスリートを、病院ふくめ、こうした形で支えていくのは新しい形だと思う。

(Yahoo Newsより)

 「平昌五輪・スピードスケート女子500メートル」(18日、江陵オーバル)

 スピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒(31)=相沢病院。 2009年からサポートしているのが、所属先の相沢孝夫理事長(70)だ。 無名の頃から支え続ける理由などを語った。

小平の“所属企業”は病院だ。 長野県松本市にある相沢病院は、10年バンクーバー五輪のシーズンが始まる2009年から、

当時まだ無名だった小平を支え続けてきた。

 長野の拠点を変えず競技を続けたいと希望していた小平。 しかし不況もあって所属企業はなかなか決まらず、 信州大卒業間近の3月、結城コーチと病院のスタッフとが知り合いだったことや、 小平が病院でリハビリを受けていたという縁もあり、相沢病院を頼った。

 「長野の人が長野で五輪を目指したいと言っているのに、どうして長野の企業はできないの。 みんなができないなら僕がやるよと」と振り返るのは相沢孝夫理事長だ。

「一流になることは期待していなかった。 (周囲からは)広告価値がって言われるけど、

相沢病院の名前が出たからって患者さんが来るわけじゃない」。 初対面にして小平は、下心なしにその姿勢を支えたいと思える人だった。

 その後、バンクーバー五輪団体追い抜きで銀メダルを獲得。メダルを持って小平は病棟を回った。 「持っているパワーを伝えてくれて患者さんもすごく元気になったし、

小平さんのファンになっちゃった」と理事長。

ひたむきな小平の姿とその魅力は、自然と病院内で広がった。

 ソチ五輪後のオランダへの武者修行も「スタッフの海外留学」という形で支援。 小平は「金銭面のサポートがないと無理だった」と感謝する。 W杯などの海外遠征へも、できるだけビジネスクラスを利用できるよう支援。 17年4月からはサポート役としてソチ五輪代表で栄養士の石沢志穂氏も雇用した。

 支援金は年間約1000万円。 それでも「(病院内から)不満もあまり聞かないし、

もっと言えば、私がもらっている給料を半分にすればいい」

と相沢理事長は笑って話す。

これだけ小平が有名になった今も 「病院そのものにとってメリットがあると思えない。 盛り上がって、一体感があって、仲間意識を持てる。それが重要」と語った。

そんな応援を小平は「すごく温かい」と感謝した。

 「今できることを全力でやる小平さんの生きざまが好き。だから人の心に何かを残すのだと思う」 と周囲の思いを代弁した理事長。 金メダルという結果以上に、小平の滑りは人を魅了し、力を与えた。

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相沢病院つながりで、ふと最近の季節の変化と身体について思った。

相沢病院も救急を多く受け入れている病院で、身体はまさに無意識の自然だから、

自然の変化から多くの影響を受ける。

Noismのダンスを見に行くのを楽しみにしていたが、緊急治療で呼ばれて、途中の電車で病院に戻った。 ヘロヘロになって治療が終わり、別の公演になんとか間に合った。

その後、夜中にまた緊急治療が入った。さらにヘロヘロになるほど高い集中を必要とするものだった。

1日に2件も別の治療で呼ばれるのは珍しい。 ただ、そういうときは、たいてい季節の変わり目で、無意識の身体がうまく対応できていないときだ。

「風邪」という言葉も、もともとは「風邪(ふうじゃ)」から来ていて、

天地を流転する「風」が変化するとき、人の体も変化することから来ている言葉。

たしかに、ここ数日は「風」が変わっていると感じる。 梅の花が咲いているのを見ると、自然とはその些細な変化を感知してすごいものだと思う。

身体という、我々が持つ自然。

自然が荒れ放題にならないよう、それでいて過剰な人工物にならないよう、ほどよい調和と手入れこそが、必要とされている。

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