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札幌国際芸術祭

August 28, 2017

札幌国際芸術祭に日帰りで行ってきた(4時起きだった!)。


大友さんが札幌のこどもたちと音楽をつくるコレクティブオーケストラは、ほんとうに感動だった。

自由と楽しさに満ち溢れていた。

 

参加した子供たちもあまりの自由さゆえに、学校では落ち着きがないとされるだろう。病院にかかれば何か病名をつけられてしまう子もいただろう。とかくこの社会は住みづらい。枠から外れる人には世知辛い社会だ。


ただ、そんな自由すぎる子供たちを、自由でいいんだ!と大友さんは強く背中を押してくれる。枠なんて、そもそもないんだよ、と。

そして、その自由さを音の戯れのように聴覚世界へと顕在化させていく様は、圧巻だった。

 


コレクティブオーケストラでの音楽では、周期的にカオスが訪れる。
大友さんが言うNoiseとは情報量が多すぎる状態のこと。カオスも、まさに情報密度が多すぎて、それ故にカオスとしか捉えることのできない状態なのだろう。

そうして周期的に訪れるカオスから、時々ふいに秩序が芽を出す。

秩序に安住しないようにすぐにカオスが訪れ、またすこし成長した別の秩序が頭を出す、、、。

まるで天地創造の瞬間を目撃し続けているような音楽だった。いい意味で気が抜けない。次に何がどうなるのか、誰にも分からない。

 

 

混沌と秩序とがひとかたまりになりながら、子供の自由さや無邪気さを駆動エネルギーとして、コンサートホールには生命のエネルギーが爆発していた!

岡本太郎が言ったように、まさに芸術は爆発だ!

 

大友さんは「混沌(カオス)」をこそ、大切にしている。

それは、何か「秩序(コスモス)」が生まれる母胎となる場所だからだろう。

 

通常の音楽界では、綺麗な部分である「秩序(コスモス)」だけを表現するが、大友さんは「混沌(カオス)」と「秩序(コスモス)」とが揺れ動く動的な全体性をこそ、広い意味での音楽としているのだろう。それは聖も俗も含んだような全体的な響きになり、音体験になる。そこには、隠し事や嘘がない。

 

 

 

 

大友さんが指揮者を募ると、みんながやりたい!やりたい!と言って、こどもの指揮者が数十秒ごとに入れ替わり続ける指揮も前代未聞で面白かった。

やりたい!やりたい!の叫びがそのまま歌になり音楽へ発展していったりもした。

子供が自由に飛び跳ねたりダンスしたりステージを円状に走りまわったり手をつないで輪になって回ったり・・・。
人間という存在の原型を思い出させるような、素晴らしいオーケストラだった。

あらゆるシーンに思わず大笑いしたし、思わず泣けた。

 

ああ、これが大友さんの即興演奏、前衛音楽(avant-garde)の最先端なのだ、と、何重にも感動した。

 

マームとジプシーの藤田貴大さんが子どもたちと作りあげた作品も素晴らしかった!!

 

 

こどもたちが、みんな生き生きと楽しそうに、溌溂としてはじけていた。

 

「音楽」は「音」と「楽」から構成されるが、まさに音と楽しさという音楽の根源に触れてる素晴らしい体験だった。

自分も含め、コレクティブオーケストラの後は、温かく優しい気持ちになってホールを出たことだろう。


 

 

 

 

 

 

当日のプログラムの一部。    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はこのコレクティブオーケストラがメインだったが、もちろん、札幌国際芸術祭にも行ける限りで回ってきた。

会場が札幌市内から点在しているので、レンタカーがお薦めです。

この後は、札幌国際芸術祭の感想。

 

札幌国際芸術祭

 

 

彫刻家イサム・ノグチがデザインしたモエレ沼公園。
ここも札幌国際芸術祭の展示場だったので最初に行った。


公園自体が本当に素敵だったし、その中での大友さんのインスタレーションも圧巻だった。

 

 

ガラスのピラミッド "HIDAMARI"にて。

東京にもこういうところがあればなぁ!こどもも自由に遊びまわって楽しそう!

 

 

モエレ沼公園

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


モエレ山は、不燃ゴミと土を積み上げた人工の山。
思わず登った。
なぜなら、そこに山(丘?)があるから。

 


ここにも自転車での展示があった。

自転車に乗っている人はいないはずだが、目を凝らすと乗っている人がいるように見えてくるのが不思議だ。そこには持ち主だった人の気配が残っているのかもしれない。


自然の緑と青のコントラストが美しかった。

 

 

北海道の自然はとにかく美しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

札幌の南にある札幌芸術の森まで車で40分くらい。

野外美術館は、野外に多くの建築が展示されていて、まあーーー素晴らしかった。

 

この作品群は国際芸術祭より前からこの地にある作品ですが、自然の中に溶け込むように佇む彫刻の美しさよ。

 

札幌芸術の森

野外美術館

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、作品で最高に感動したのは、EYEさん(ボアダムス)の展示。

ドッカイドー(=「・海・」!
まーーーーすごかった。ダントツに揺さぶられた。

 


最初は真っ暗で何も見えない。右も左もわからない。
少しずつ目が慣れてくると、自分が宇宙空間に浮いているかのようだった。

 

芸術の始まりには、おそらく人類の洞窟生活があったのではと思う。
洞窟という暗闇の中でこそ、光を見る。

光を見ることは、それだけで勇気や希望を与える不思議な力がある
洞窟の中では声はエコーのようにこだまし、自分の声なのか洞窟の声なのか区別があいまいになる。

そんな暗闇の中でこそ意識を内側に向けて、内的イメージの根源まで垣間見える。

 

EYEさんの展示は本当に本当にほんとーに体験してほしい。

闇の中で流れるEYEさんの音楽も、呪術的でよかった。
EYEさんはやはりシャーマンだなぁ、と。
(この近くでやっているはずの毛利悠子さんの作品がちょうどお休みで見れないのが残念だった・・・)

 

 

 

 

 

随想。
自分は、観念的な現代アートはあまり得意ではない。

というのも、考えている内容が透けて見えてしまい、そこに謎がないからだ。こういうアイディア、面白いですよね、と言われているようで。

 


それよりも、皮膚感覚、肌感覚、生理や肉体に訴えてくるものが好きだ。

体は受け取っている。ただ、頭が追い付いていない。

その落差こそが、謎であり不思議であり、芸術の良さなのだから。

 

 

謎を含まず、美だけを求めるのなら、美と実用を果てしなく追求してきた伝統工芸や民藝の世界には勝てないだろう。謎があるからこそアートなのだ。そして、謎を心に受け止めていく軌跡こそが人生だ。

 

 

頭は感じるが、体は感じないのは、すこし観念的すぎる。
頭も感じないし、体も感じないのは、ちょっと何とも言えないので保留にする。
頭は感じない(し解釈できない)が、体がビンビンに感じるものこそが、自分は好きだ。
零れ落ちたものは、未来の自分がきっと受け取ってくれる。

 

 

 

 

 

 

札幌行きは、日帰りでハードスケジュールだったが、いい気分転換になった。

北海道は広くて、いい!!清々しい!!!

 


札幌国際芸術祭、毎日のようにいろんな面白いこと開催されてます。

スケジュール、見てください。ぶったまげますよ。まさに祭りです。

 

 

 

 

9/3のマレウレウのLiveも行きたかったなぁ。チラシもめちゃんこかっこいい!

とにかく、毎日何かが起こり続けている、という生命のような在り方にも、この札幌国際芸術祭の真髄があると思う。

 

 

 

札幌国際芸術祭。熱い!エネルギーに満ち触れている!!

大友さんの熱が伝播して、それぞれの生命の炎にさらに薪が投下され、みんなが熱く静かに燃えている!

 

みなさんもぜひ是非行ってみてください!!!

(自分で身をもって証明しましたが、東京から日帰りでも行けますよ。)

 

 

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札幌国際芸術祭2017(SIAFサイアフ2017)

 

 

開催期間:2017年8月6日(日)~ 10月1日(日)〈57日間〉

テーマ:芸術祭ってなんだ?

サブテーマ:ガラクタの星座たち

ゲストディレクター:大友 良英

 

 

 

 

 

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