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池田学展「誕生」@ミヅマアートギャラリー

July 27, 2017

昨日は、ミヅマアートギャラリーに、池田学展「誕生」のオープニングに行きました。

 

 

縦3m、横4mの絵が一つだけどんと置いてある。
その絵は、絵全体が異世界への窓のようで、Another Worldが穴をあけてたたずんでいるようだった。

 

近くで見てみるとさらに圧倒される。あらゆるディテールに、無限回廊のように絵が描かれている。

それはこの自然そのもののミクロ世界とマクロ世界との結合だ。

 

 

 

 

 

そして気づいた。
これは池田さんの、3.11に対する鎮魂であり、祈りなのだ、と。

 

 

武満さんが音楽と祈りに関して描かれた文章がある。音楽を美術や芸術にあてはめても同じだと自分は思う。
池田学さんの絵からは、細密画だけにとどまらない、祈りの形式としての現代美術の極北を見た。

 

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武満徹『Mirror』
「インドネシアでの、あの溢れるようなガムランの響きの中で感じたことも同じであった。
音楽は個人がそれを所有することはできない、が、しかまた、音楽はあくまでも個からはじまるものであり、他との関係の中にその形をあらわす。しかもこれは社会科学的なテーゼではなく、むしろ神学的主題なのである。

友が言うように、音楽は祈りの形式(フォーム)であるとすれば、人間関係、社会関係、自然との関係、(そして、神との関係)すべてと関わる関係(リレーション)への欲求を祈りと呼ぶのだろう。
たしかに私は、音楽がそこに形をあらわすような関係というものをまちのぞんでいる。」

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●ミヅマアートギャラリー  
2017/07/26-09/09 池田学展「誕生」
*9/27-10/9まで日本橋高島屋に巡回

 

 

この1枚の絵と対面し、対峙しに、是非行ってほしいです。

 

 

 

 

7/28金曜の池田さんとのトーク、何を話そうかと思っていたが、
絵を見た瞬間に一瞬で決まった。


鎮魂、祈り、生と死、いのち

 

に関する医療と芸術の接点となるトークを、池田学展さんの「誕生」を媒介にして話したいと思う。

 

 

池田さんにも、絵から受け取ったことを一部伝えたら驚いていた。
おそらく、初めて指摘されただろうと思う。

 

描いている本人は、無意識の通路となり描いているので、何が自分の絵に描かれているのか、分からないはずだと思う。

 

それは、自分の体に起きていることが何なのか、ほとんどの人が読み解けないのと同じことだ。
自分はその点でプロフェッショナルであることには自信がある。

 

 

銀座シックスの!ツタヤの対談も、明日の7/28金曜ですが、是非お越しを!

他の方が引き出せないような話をできたら、と思います!

 

■2017/7/28(Fri)(19:30-21:00)
【トークイベント】「action publishing」池田学×稲葉俊郎 
絵を描き、山に登る  ~池田学の作品から考える美術と身体と自然の関係~
@銀座 蔦屋書店 (GINZA SIX 6F)

 

 

銀座 蔦屋書店 アート Twitterより

【NEW】池田学さん『《誕生》が誕生するまで The Birth of Rebirth』(青幻舎)。

池田さんの新作にして大作《誕生》の細部と深淵に迫った1冊。

そして、いよいよ明日は池田学さんと稲葉俊郎さんのトーク!お待ちしております。

 

 

 

 

(終了後 追記 2017/7/29)

池田学さんとの対談は豊かで創造的な時間だった。

 

滞在先のアメリカ・ウィスコンシン州マディソンにて3年3カ月かけて描かれた「誕生」という絵をテーマに話した。

 

この公開制作の創作プロセスは定点カメラで撮影され、すべて記録されている。

 

山を愛す人に悪い人はいないので(あと、プロレスや漫画もそうですね)、話は大いに弾んだ。

まわりからは、昔からの旧友であると勘違いされるほどだったが、ほぼ初対面だったのです。
山という厳しさと真剣に対峙し続けた人間には、特有の波動を発していると思う。

 

 

池田学さんの絵から、祈りや鎮魂の話しを引き出した。

どういうプロセスで創作が続いているのかも、すごく興味深かった。

 

 

この世とあの世が寄せては返す波のように、そのどちらかに引っ張られるのではなく、その波打ち際に居続ける姿勢が、絵を強靭なものにしている。

 

 

創作のプロセスは、極めて村上春樹さんに近く、驚いた。

 

また第2回目やってください!と色んな人に言われたのが嬉しかったです。

 

 

 

対談が終わった後も、銀座シックスの素敵な空間で時を忘れて23時近くまでみんなで話して、すべての話が面白かった。
今度は、お能を見てもらえるよう、ご案内したい。

 

 

このご縁が、また別の形で花開いていくと嬉しい。

 

素敵な組み合わせを企画してくれた銀座ツタヤの中村さん、ありがとう!また何か面白い事やりましょう!
池田学さんも有難うございました!これからも作品を楽しみにしております。

 

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「みみずくは黄昏に飛びたつ」村上春樹、川上未映子
P26
(ただキャビネットを持っているだけでは、動かないんですね。)
さっき言った比喩と同じで、一番適当なものがすっと来てくれないとしょうがないですよね。
というか、呼び寄せないといけないんです、いろんなことを。ものを書くっていうのは、とにかくこっちにものごとを呼び寄せることだから。

イタコなんかと同じで、集中していると、いろんなものがこっちの身体にぴたぴたくっついてくるんです。磁石が鉄片を集めるみたいに。その磁力=集中力をどれだけ持続できるかというのが勝負になります。
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