動きの原初
赤ん坊の体の動きを見ていると、脳で指令を送っているわけではなく、体そのものが動きたい方向へ動いているから美しい。脳はまだわきまえを知っている。
舞踏のようで、歌舞伎の「見えを切る(見得を切る)」ようで、岡本太郎のポーズのようでもある。
赤ちゃんの足だけ見ていても、曲げたり伸ばしたり、外へ内へ回したりねじったり、緊張したり緩和したりして、あらゆる方向へさぐりながら動きを探求しているように見える。
両足は連動しているようで連動せず、両手とも連動しているようで連動しない。
この積み重ねが、ハイハイから二足歩行へとつながる序章だとすると、感動的なことだ。 人間は、誰もが探求者なのだ、と改めて思う。