映画『こころの通訳者たち』レビューコメント
ドキュメンタリー映画『こころの通訳者たち』。
10/1(土)よりシネマ・チュプキ・タバタにて先行公開、10/22(土)より新宿K's cinemaほか全国順次公開予定。
わたしもレビューコメント書きました。
素晴らしい映画!ぜひ見に行って下さい!
●映画『こころの通訳者たち』
イントロダクション
見えない人、聴こえない人、車いすの人、小さなお子様を連れた人、誰でも一緒に映画を楽しむことができる日本で唯一のユニバーサルシアターのシネマ・チュプキ・タバタでは、上映する全ての映画音声ガイドと字幕をつけている。そんな映画館にある相談が持ち込まれたことから2021年9月、本作の撮影がスタートした。
耳の聴こえない人にも演劇を楽しんでもらうために挑んだ、
3人の舞台手話通訳者たちの記録。
その映像を目の見えない人にも伝えられないか?
見えない人に「手話」を伝えるには。
コロナ禍のなかで進行した、見える人、見えない人、聴こえる人、聴こえない人たち個性豊かなメンバーによる「音声ガイド」づくり。ちょっと無茶かも・・・と思われたアイデアから見えない人と聴こえない人にも対話が生まれ、互いに知らなかったことに気づいていく。 演劇との架け橋になろうとした舞台手話通訳者たちの想いを伝えようと、壁にぶつかりながらも音声ガイドづくりを「諦めない」メンバーたちの想いが重なり、いつしか言語を超え、障害のあるなしを超えて、『こころ』のバトンを繋いでいく。
2001年から視覚障害者の映画鑑賞を言葉でサポートしてきたバリアフリー映画鑑賞推進団体 City Lightsが、2016年9月。1800万円の募金を集めて設立した、座席20席の小さな映画館。見えない人、聴こえない人、車いすの人、小さなお子様を連れた人、誰でも一緒に映画を楽しむことができる、日本で唯一のユニバーサルシアター。全ての映画にイヤホン音声ガイドと日本語字幕をつけて上映している。
●映画『こころの通訳者たち』 予告編
● 稲葉俊郎
それぞれの感性に応じてわたしたちは独自のリアリティーを創造しながら生きている。違うリアリティーを生きるわたしたちの心の空間をつなぐためには、どうすればいいのだろうか。
「分かり合いたい」と強く思うことによって、はじめて理解への扉が開く。その原動力は一人一人の個人の力だ。システムは後からやってくる。
あらゆる「コトバ」が多層に重なり合うこの映画を観ることで、自分の「心の空間」に深い奥行きと広がりを発見し、そこから他者の心の空間へと無数の通路がつながっていることも発見するだろう。
そうした未知の世界を気づかせてくれるのは演劇や映画が持つ力だ。そして、そうした文化の場を静かに支えている個人のしなやかで逞しい力も溢れている。
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