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坂口恭平日記@熊本市現代美術館

熊本市医師会の講演で弾丸で熊本往復した時に、「坂口恭平日記」@熊本市現代美術館も見に行く。



彼の圧倒的な作品の数に圧倒される。絵日記のように。 坂口君の絵には、彼の心が溶けこんでいる気がする。 心の重さが与えられた分だけ、絵の情報量が多い。











坂口くんにはいろんな意識状態があり、その振れ幅は大きかった。それは時に躁うつ病などと病名で名付けられた。

ただ、今は振幅の上下を90度入れ替えることで、振幅は奥行きとなり、それが作品の深みや複雑な味わいとなっている。

こうしことは作品だけではなく、人間一般に言えること。ヒトは成長するだけではなく成熟する。成熟することで、永遠に誰にもコピーできないオリジナルが立ち上がって来る。これは子ども時代のその人の原型でありオリジナルを保つために、成熟と言う名の純化のプロセスが必要であるということ。


高校生時代から知っているものとして、紆余曲折、いろんなところにぶつかりながらも、社会との摩擦を迎え入れ、正直に素直にここまで歩んできた彼のことを思い、感慨深いものがあった。そうしたノスタルジーの心も、郷土熊本の絵の中に畳み込まれていた。触れる人によって解き放たれる不定形なもの。


日常の中に、水木しげるの妖怪のような異界の存在が時に出ているのも、坂口作品の味わいであり深さ。彼の生きる世界がどれほど広くゆたかであるか、という証のようなもの。







熊本市現代美術館 CAMK

ギャラリーⅠ・Ⅱ

2023.2.11(土・祝)~2023.4.16(日)



 



別室で開催されていた小林啓治さんの「私の風土記展」も、素晴らしくて鳥肌たった。



熊本市現代美術館 CAMK

ギャラリーⅢ

G3-Vol.148

小材啓治 私の風土記 展(PDF

2023.1.18(水)~2023.3.5(日)





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