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劇団イキウメ『ずれる』@シアタートラム

  • 執筆者の写真: inaba
    inaba
  • 1 日前
  • 読了時間: 2分

シアタートラムに劇団イキウメの『ずれる』を観に行く。よき演劇は自分にとっての常備薬だ。






色々な小さい「ずれ」の波が、重なり合いぶつかり合い共鳴しあい、不思議な波として迫ってくる作品。

「ずれ」のことを思うと、事件などを見ていても、社会現象のほぼすべてが『ずれ』から生まれたと感じてしまう。この舞台で扱われるテーマは重層的。人間と動物のずれ、ペットと家畜のずれ、家族内のずれ、価値観のずれ、生き方のずれ・・・。そもそもの根源として、自分自身のずれ。自分自身のずれの中に、肉体と霊体(魂、魂魄)とのずれ、というものもある。家族関係のずれは、人間の心と体をずらして、その人が社会ともずれていく。果てには、復讐や無能の証明により、自分の存在価値を照らそうとしてしまう。


そうした社会の中に潜む重層的なずれを、2時間という演劇の枠で見せてしまうのは、さすがイキウメだと思った。


私自身も、そうした社会のズレを感じ続けている一人として、社会のズレを見ながらも、やはり根本となる自分自身のズレが起きないようにセルフケアをすることしかできないのかな、とも思う帰路だった。

演劇体験を重ねると、日常も演劇として楽しんで体験できるようになる。外界を見ながらも同時に鏡として内界も見つめるメタ認知が育つので、お薦めです。




イキウメ『ずれる』

キャスト・スタッフ:【作・演出】前川知大

【出演】浜田信也 安井順平 盛隆二 森下創 大窪人衛


[東京公演]5月11日(日)~6月8日(日)シアタートラム

〒154-0004 世田谷区太子堂 4-1-1 TEL:03-5432-1526

[大阪公演]6月12日(木)~6月15日(日)ABCホール

〒553-8503 大阪市福島区福島1-1-30 Tel. 06-6451-6573






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