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芋と赤地蔵から放たれる慈悲

  • 執筆者の写真: inaba
    inaba
  • 7月9日
  • 読了時間: 2分

ジャガイモを掘り起こす。

掘る、という行為も普段やらないなぁ、とも。

スコップじゃなくて、手で掘り出すのは、野生に帰る気がする。


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レコード屋でレコードを探す行為を「ディグる」という。digは英語で「掘る」の意味で、レコードを探す行為が「掘る」ように見えるからだろう。確かに、Disc Unionとかで周りから見るとジャガイモを掘り出しているような行為に見えなくもない。「掘り出し物」という言葉もある。これも、土の中から偶然にいいものを「掘り出した」イメージからつくられた言葉。


東京に住んでいた時、小石川植物園の隣に住んでいた。小石川養生所があった場所で、東大医学部の原点。場の力に敏感な自分は吸い寄せられるように住んだ。ここはさつま芋の原点でもあったと看板で読んだ。

享保の大飢饉を受けて、中国で飢饉の非常食として甘藷(さつま芋)を栽培していることを知り、青木昆陽が吉宗にさつま芋(薩摩芋)の試作を進言。最初に始めたのが、小石川御薬園(現:小石川植物園)。

ここで採れた芋が種芋として各地に配られ、甘藷(かんしょ)(さつまいも)栽培が定着した、と。


植物が薬で、薬が植物だった時代。


芋って、すごい。

土で静かに増殖する。

飢饉がやってきたら、あきらめずに芋を植え、芋を掘り出し(ディグり)、芋を食べましょう。





畑の近くにある仏さま。

「野倉の赤地蔵」という地蔵菩薩。


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塩田は雨が少なく、雨ごいのときに、この地蔵さんを川にいれて、雨ごいをした、とか。「野倉の赤地蔵」は延命地蔵とも言われる。命を延ばすことは誰もの願い。庶民の願いをすべて受け入れてくれたとのこと。


・お地蔵さんが真っ赤

・木造の仏像が石のお堂に入っている。仏と木と石のコラージュ。


この不思議なセンスの組合せの仏像は日本でもここだけではなかろうか。

アヴァンギャルド!


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