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「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」@渋谷Bunkamura

December 3, 2018

渋谷Bunkamuraで開催中の「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」はとってもよかった。

 

ロシアの芸術(絵画、音楽、ダンス)からは、常にそこはかとない悲しみを感じて、それが日本文化との共通性を感じさせてくれる。

 

日本文化が「かなしみ」を大切にしているのは、「しあわせ」は、多くの悲しみを土台にして成し遂げられたことを知っているからなのだと思う。だからこそ、「かなしみ」の中に「やさしさ」すら感じられる。

 

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西田幾多郎
「哲学は我々の自己の自己矛盾の事実より始まるのである。
哲学の動機は驚きではなくして深い人生の悲哀でなければならない。」
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ロシアの絵画からは、過酷な自然環境、そしてその過酷さに呼応するような厳しい圧政の時代。


そうした自然と人工との二重な過酷さに押しつぶされそうとしても、たくましく生きていく、タフな生命の力を、影と共に感じさせてくれる。そうした深さにおいて、受け取り手の心に訴えてくるものがあるのだろう。

それは、ロシアの人であるチェーホフの文学や、ドストエフスキーを深く読み込んでいても、常に感じられること。

 

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井上ひさし「この人から受け継ぐもの」
『チェーホフの時代の主調音は、流刑とテロと圧政と暴動である。落胆と絶望がその主旋律だった。 
その暗い時代にチェーホフはほがらかに現れ、笑劇や喜劇の方法でひとびとの心のうちに深くはいっていき、医療や学校建設の仕事を通してひとびとの願いを聞いた。

そしてチェーホフは、結局のところ、人間は生きる、ただそれだけのことなのだという真実を発見したのである。』
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『私としては、万人に通じ合う大切な人間の感情をたがいに共有し合って、他人の不幸を知っていながら知らんぷりをしないと説いたチェーホフを信じる。』

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『ユートピアとは別の場所の事ではなく、自分がいまいる場所のこと、そこをできるだけいいところにするしか、よりよく生きる方法はないという、チェーホフのことを信じるしかないのだ。』

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写真は、図録の画集から。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア
2018年11月23日~2019年1月27日
Bunkamuraザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1

 

 

 

 

 

 

 

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