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近江楽堂 笙の音色

先週はあわただしく日々が過ぎた。

先週末に、初台のオペラシティー内にある近江楽堂へ、笙の演奏会に行った。

オペラシティーは武満徹さんが日本にオペラを根付かせようと、亡くなる直前まで尽力されていた場所。

近江楽堂は礼拝堂をイメージしてつくられた小ホールで、舟越保武さんの聖母マリア像の存在ありきで、このホールは作られたとのことだ。

笙の演奏は、超絶的に素晴らしかった・・・。

笙の音色は、本当に言葉で表現できないが、光の粒子や波動が空から降ってくるような音色がする。

どこか分からない天空から降り注ぐような感覚。

体の内か外か分からない場所から音が鳴り響ているような感覚に陥る。

近江楽堂の場所自体が神聖だった。

空には十字架が空いて、十字架の形に光のバンドが降り注ぎ、笙が鳴り響いているときは異空間に誘われていたような素晴らしい体験だった。

宮内康乃さんの新曲は本当に素晴らしいものだった。

虫の音、螺旋状に回転する音の場。

笙を吹く人たちが3人、左向き回転に回りながら弾く。異界の扉が空く。

最後に、右向きに回転して、音の場をつくり、異界の扉が閉まる。

音の場がうねり、広がり、閉じたりして、自分の身体感覚が拡張するような曲だった。

宮内康乃さんは、こうして笙の新曲も作られているが、相撲の現代音楽も依頼されて作っていたり、つむぎねというパフォーマンスグループをされていたり、多才だ。そもそも、相撲を現代音楽化するって、すごい。

世界的に有名な宮田まゆみの練習曲である、SHO PRATICA1という曲も、音がダンスしているような不思議な曲で素晴らしかった。宮田まゆみさんご自身もこられていて驚いた。

田島和枝さんの佇まいからはなたれる笙の音色は、存在そのままのたゆたうような優しく温かい音色で、どれだけでも聞いていられるような感じだ。

笙は、まさに意識の流れそのもの、時間そのものを扱っている音色が多く、西洋の音楽とまったく違う世界を追求してきたのだな、というのがよく分かる。

新曲をつくられていた宮内康乃さん、笙の田島和枝さん。お声かけ頂き、本当にありがとうございました!!

すごいです!!もっといろんな方に体験してもらいたい!!

田島さんには、10月10日の慶応でやる第5回道の学校にも出ていただけるので光栄です!!お楽しみにー!!

 

楽の管楽器”笙”のトリオ Shogirls 響会 Ⅵ〜新たな息吹〜 8月26日(土) 14:00開演(13:30開場) 近江楽堂 《Shogirls 笙ガールズ》 三浦 礼美 田島 和枝 中村 華子

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