甲野善紀,土田昇「巧拙無二: 近代職人の道徳と美意識」剣筆舎 (2020/1)
古武術の甲野善紀さんと土田昇さん(土田刃物店三代目店主)の対談本「巧拙無二: 近代職人の道徳と美意識」剣筆舎 (2020/1)の出版イベントに行った。
職人さんの道具の世界と、その道具作りをする職人さん側から見た世界。圧倒的な熱量でのこだわりの世界は、自分も強く惹かれるものがある。分類でいえば、自分も仲間だ、という香りがする。笑
対談本も熱くてマニアックですばらしい!
自分が守るべき自負、誇り、美意識・・・そうしたものを強く活性化される対談だった。
お前は何を大切にして生きているのか、と、喉元に突き付けられるようで。
甲野先生は、対談の時にいつも独特のテンポとリズムがあり、それは土田昇さんもそうだった。
自分はこういう人たちが好きだ。
絶対に規格化されない、標準化されないひとたち。
自分が自分であるための何かをちゃんと守り続け、奪われない人たち。
時代がどんなに変わろうとも、そういう「原人間」は必ず存在していて、生きづらいのはある意味で当然で、時代の流れとの摩擦を常に感じながら生き続ける人たち。生きづらく見えても、それが生き様だからしょうがないでしょ、という人たち。
人間が機械化され人工化されバーチャルリアリティーの住人となり、人間2.0へとバージョンアップして、意識がクラウド化して身体が消えて脳化社会の極みになったとしても、野生の香りを失わない人たちを大切にしたい。野生こそが、生命の歴史をしぶとくつないできた源泉だから。
この対談は甲野先生からご招待いただいたのだが、その招待状が果たし状のよう!で驚愕と共に感動。内容もすごかった(それはもちろん非公開)。こういうセンスを自分も大切にしたい。
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