おまけ:4週目の「おくすりてちょう」名作集

山形ビエンナーレ2022の大まかなレポートはここいらで終了しますが、ちょこちょこ思い返しながら書いていきます。

せっかくなので、最終週、4週目の「おくすりてちょう」名作集です。

無意識の中から色々な面白く素敵な形が飛び出てきて、製作者と共に私も驚きながら楽しんでました。

































今回の山形ビエンナーレ2022のStatementを再掲。

こうした思いが、時間をかけてでも、ゆっくりと伝わっていきますように。




 


《いのちの混沌を越え、いのちをつなぐ》


今、「分断、分離、隔離」という不穏な言葉が溢れる中、新しい形のつながりを創造する時代を迎えています。そして、自然界と人間界が衝突し合いながら融和し新しい関係性へと移行している中、いのちの混沌を超え、いのちを蘇らせ、生まれ変わり、いのちをつなぎ、生きる希望の光を灯せる場を、私たちは必要としています。


文化芸術基本法の前文に、「文化芸術は、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである」という主旨の言葉があります。


この言葉に込められた祈りをどのように実現していくのか。その具体的な形が「芸術祭」という場です。


「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2022」では《いのちの混沌を越え いのちをつなぐ》をテーマに、芸術やデザインの力を借りながら、あらゆる文脈で「つなぐ」ことに挑戦します。これは、この世界の治療行為のようなものです。分断され、壁がはりめぐらされていても、異なる世界に橋を架け、命をつなぐ・・・心の世界で深くつながり合える場を、山形の地で、共に創造していきます。




芸術監督メッセージ

《いのちの混沌を越え いのちをつなぐ》

─いのちの灯を交歓し、開かれた想像力を


山形ビエンナーレ2022 芸術監督

稲葉俊郎


2020年から始まった疫病は、そう容易くは、おさまってくれません。

ウイルスに加え、人工的な情報の同時多発的な伝染により、生命界と人工界が入り混じって世界は混迷を深めています。


分断や分離が加速していくこの世界の中で、芸術や文化活動こそは、曖昧で不明瞭なやり方により、両極の世界をつなぎ、むすび、橋を架ける働きをしてきました。

魂が失われたのなら、深い井戸を掘って魂を取り戻しに行く必要があります。

魂が壊されたなら、いのちの混沌に飛び込み、新しい魂を受胎させ創造する必要があります。

いのちには死が内蔵されていますが、死を上回る生を創造し続けてきたことにこそ、いのちの流れが宇宙的な時間の中で連鎖し続けてきた、いのちの秘儀があります。


表面的にはつながれなくても、心の深い井戸を介して、横穴によりつながることができます。そうした深い井戸の鉱脈は、芸術を生み出す泉でもあります。

「いのちの混沌」の中で、わたしたちは開かれた想像力を持ち、闇の中でも一条の光が差し込むタイミングを見失わないように。いのちの混沌を越えて、いのちの灯を交歓し合う。差し出し合い、与えあう場こそが、新しい芸術祭という場になります。

いのちの深みを追求し体現して生きる表現者たちが集う場を山形に創造し、未来への灯台として芸術祭という光を灯したいと思います。それはこの世界の治癒行為になるでしょう。