「坂本龍一設置音楽展 Ryuichi Sakamoto async」ワタリウム美術館
ワタリウム美術館に行き、「坂本龍一設置音楽展 Ryuichi Sakamoto async」を体感してきた。 そこは音楽でもあり、空間芸術でもあり、美術でもあった。 そうしたカテゴライズが意味をなさないほどの、生命や芸術の母型をも感じさせる素晴らしい時間と空間の体験だっ...
同時代の物語
医療において、重要なのは「読む」力だと思う。 表層に惑わされずに、その深層で起きているプロットから真の全体像を読み取る力。 自分は「読む」力は、文学や物語や芸術から学んだ。 なぜなら、奇蹟はしばしばマイナスの形で生じるが、読む力のある者にとってそれはプラスに転じるからだ。...
コトバとカラダ
病気と闘う、という表現をした時、必ずその人の表情が変わる。 特に、眉間に皺が寄り、闘争的な顔貌になる。 心のスクリーンを体が担当しているようだ。 きっと、頭の中のイメージでは、テレビや映像で見た「戦闘相手」が映写されているのだろう。その脳内イメージが透けて見える。...
死の体験
●平等院と『あの世』(April 7, 2017)を書いていてふと思ったこと。 人は、何らかの形で「死の体験」をするとき、外的には「完全なる終わり」という事態として体験する。もう終わったのだ、二度と帰って来ないのだ、と。そのとき、内的世界では苦しみや悲しみや喪失感も伴う。...
平等院と『あの世』
萬福寺と同じ宇治にあるので、世界遺産にもなった平等院にも訪れた。素敵な空間だった。 この鳳凰堂と周りの庭園は、はるか西の西の西の果てにある極楽浄土(あの世)と、そこに誘ってくれる阿弥陀如来とを観想(イメージ化)するために造られている。 ...
黄檗宗 萬福寺
宝蔵院がある黄檗宗の大本山である萬福寺(京都府宇治市)も、静謐で素晴らしい空間だった。 黄檗宗は、臨済宗、曹洞宗に次ぐ禅宗の一つで、開祖に従い明時代の中国の様式が残る。 萬福寺(京都府宇治市)では、普茶(ふちゃ)料理という精進料理も頂いた。...
塙保己一とヘレンケラー
「萬福寺 宝蔵院」の記事を書いた。 →●萬福寺 宝蔵院(京都 宇治)(April 4, 2017) そもそも、なぜ「萬福寺宝蔵院」を知ったかというと、ヘレンケラーが最も尊敬する塙保己一が、この版木を参考にして大偉業を果たしたらしい、と聞いたことから自分の興味が始まった。...
萬福寺 宝蔵院(京都 宇治)
先日、京都の宇治にある萬福寺宝蔵院に行った。 ここには「鉄眼版一切経版木」全6956巻があり、吉野桜に手彫りで彫った6万枚にも及ぶ膨大な版木がおさめられている。 400字詰め原稿用紙のフォーマットの最初ともされ、日本の印刷技術のパイオニアでもあり、日本で明朝体を始めたルー...
John Lennon「Walls And Bridges」(1974年)
John Lennonのアルバム「Walls And Bridges」(1974年)。 改めてLPで見ると、本当に作りが凝っている。John Lennonが超絶的なアーティストであることが分かる。 このアルバムを聞くたびに、エルトンジョン、オノヨーコの顔がちらちらと浮かぶ...
謎と謎による結合
村上春樹さんに『セロニアス・モンクのいた風景』新潮社 (2014年)という本があるように、春樹さんはモンクの音楽が好きだ。 「頑固で優しく、偏屈だけど正しい――モンクの音楽は、いつも大きな謎だった。演奏も振る舞いも「独特」そのもの。しかし、じっくり耳を傾ければその音楽は聴く...