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『弱さの研究―弱さで読み解くコロナの時代―』向谷地生良,高橋源一郎, 辻信一(著)(くんぷる、2020/11/16)


当直中にふと読んだ本。





べてるの家を長く支えてきた向谷地生良さんの言葉は深いし重いなぁ。


社会や人間の「弱さ」が露呈している時代からこそ、弱さの中にある価値、弱さが持つ生命の力のようなものを、再発見する時代なのかもしれない。

今まで社会が排除して目を背けてきた「弱い」存在は、力こそ正義という時代の中で押しつぶされてきたけれど、そうした有形無形の悲しみを受け止めていくことでしか、本当に多様性のある社会はやってこない気がする。




 

同書より。向谷地生良さんの言葉から

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『本当に「信じる」ということは、決して信じやすい形で信じるに値する形で私たちのところには絶対来ないというのが私の学んだ事です。

「信じる」とか、「愛する」とかは、もっとも愛しにくい形で、もっとも信じにくい形でしか私たちのところには来ない。おっとも愛しにくい、信じにくい形でもたらされた中で、私たちは「にもかかわらず」その中でそれを信じぬく。それを愛しぬくということが私たちなかで問われているわけです。』

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『本当に病ということの裏側には実は並々ならぬ生命力とか、何か並々ならぬ力でもって人と人とをつなげようとする、本当に目に見えない生命力というか、そういうものは働いているんじゃないかな』

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『病むことの中には、ある種の人との生命的な繋がりを引き戻そうとする大事なものがあるんだなと思います。』

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『それこそ「弱さの力」というか、病気はもしかして、人の足を引っ張っているのではなくて、むしろ人を助けてる部分って絶対あるぞみたいな、そういう感覚が分かってきたときに、僕達はある種の病気にというか、命の傾きに逆らわない生き方とか、暮らし方みたいなものをすごく見るようになって、命の傾きっていうのは登る感覚じゃなくて、降りる感覚じゃないかっていうことで、私たちは降りていく生き方っていう。』

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