「藤本壮介の建築:原初・未来・森」
- inaba

- 8月28日
- 読了時間: 3分
六本木、森美術館での「藤本壮介の建築:原初・未来・森」展。大阪の万博会場でどえらい実物を見て感動したので足を運ぶ。

1970年の万博では丹下健三の大屋根建築を突き破って空を見上げたのは太陽の塔だけだった。2025年の万博では、訪れた皆が、大屋根リングの中から空(宙)を見上げることができる。なんて素敵なコンセプトだろうと思っていた。人々が太陽の塔となり、神像となり、天と地を結ぶ存在に、ということかと。
藤本壮介さんの「開かれた円環(Open Circle)」という言葉に、霊感を受けた。
開きながら閉じていて、閉じながら開いている。
禅でも円相のテーマは公案(考えるためのきっかけ)として何度も現れる。


あらゆる形の探求から、全と個、開くと閉じる、など、矛盾する概念を建築物として統合しようとする試みに、色々とインスピレーションを受ける展示で大満足だった。











藤本壮介の建築:原初・未来・森
会期
2025.7.2(水)~ 11.9(日)
会場
森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
2025年大阪・関西万博の象徴《大屋根リング》の設計者、藤本壮介初の大規模個展
藤本壮介(1971年、北海道生まれ)は東京とパリ、深圳に設計事務所を構え、個人住宅から大学、商業施設、ホテル、複合施設まで、世界各地でさまざまなプロジェクトを展開しています。2000年の《青森県立美術館設計競技案》で注目を集めたのち、《武蔵野美術大学美術館・図書館》(2010年、東京)、《サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013》(ロンドン)、近年では集合住宅《ラルブル・ブラン(白い樹)》(2019年、フランス、モンペリエ)や音楽複合施設《ハンガリー音楽の家》(2021年、ブダペスト)などのプロジェクトを次々と完成させ、高い評価を得てきました。現在開催中の2025年大阪・関西万博では会場デザインプロデューサーを務めるなど、いま、最も注目される日本の建築家の一人です。
本展は、藤本にとって初の大規模個展です。活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトまで8セクション構成で網羅的に紹介し、約30年にわたる歩みや建築的特徴、思想を概観します。展示には、模型や設計図面、竣工写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型、モックアップ(試作モデル)なども含まれ、建築に携わる人だけでなく、だれもが藤本建築のエッセンスを体感できる、現代美術館ならではの展覧会です。さらに、藤本による未来の都市像の提案を通し、建築の存在意義や可能性についての考察も試みます。
環境への配慮、人と人との変わりゆく関係性、分断されたコミュニティをつなぐ機能、テクノロジーの発展に影響される生活など、今日、建築や都市には従来以上の役割を担うことが求められています。そのような時代に、建築は私たちの暮らしをどう変えうるのか。藤本の実践をとおして、みなさんとともに考えます。
コメント