top of page

舞台『暁の帝〜壬申の乱編〜』@池袋シアターグリーン

池袋シアターグリーンに、舞台『暁の帝〜壬申の乱編〜』を見に行ってきた!

ものすごいエネルギーと気迫に満ちた作品。

2時間休みなしのノンストップ。

自分の意識は古代へと引っ張られ、

当時の国を治める人たちの意識と同期する。

舞台や演劇とはすごい発明だ。

こうした身体感覚は、映画での体験とはまるで違うものだ。

舞台で実際の人物が息を切らす、怒り、かなしみ、憤り、落胆し、叫び、走る。

考え、悩み、葛藤し、そういうものを抱えながら、皆が人生を疾走するように生きる。

人は、どんな人でも生きているだけでエネルギーを発しているが、

この舞台ではそれぞれの人物から発されるエネルギーの流れが水流のように絶妙にからまりあいながら、

緩急織り交ぜたバランスが音楽的なリズムで紡がれていき、終始ハラハラドキドキして、2時間まったく飽きることがなかった。4時間くらいの気がした。

この舞台は、きっと歴史的な名作になるだろう!

シンプルな舞台のつくりも素晴らしかったし(紐やサークルなど)、

シンプルでいながら優美さと気品さを兼ね備えた衣装もかなり素晴らしかった。

主演のみなさんの熱演も手に汗握るものだった。誰も手を抜いていないのがよく分かる。

当時の人たちが懸命に生きたことと同じように、懸命に演じる姿に胸が熱くなった。

主演周りを支える俳優の方々の演技も極めて質の高いもので、群像劇のような全体性の場が持つ力をそれぞれの立場の人たちが引き出しながら熱演していた。

天体の星が動くというより、星座全体が動いているかのように。

登場人物のみんなに共感できてしまう。

そして、登場人物みんなが思わず好きになってしまう。

こういう感情的な転移を起こしてしまうのは、俳優陣の熱演に触発されるものだろう。

もちろん、舞台に細かい技術は必要かもしれないが、

それ以上に重要なのは、生きて燃えている命の切実さのようなものだ。生きるエネルギー、生きる熱源や光源のような、より根源的なものだ。

壬申の乱のことなんて1ミリも知らない人でも、本当に楽しめる舞台。それもそすごい。

そして、日本のはじまりのこと、日本が作られた曙のころをもっと知りたくなるはずだ。

当時の日本は、明確に日本として縁どられたわけではない。それは後からそういう風に理屈づけしているだけだ。

形なきものが形ある日本になろうとしている陰りのある時代。

朝日が昇ってくるときの空のグラデーションの風景のように、その場は複雑な陰影を持っている。光だけではなく陰りも。

それは「暁の帝」というタイトルにも示唆されているのかもしれない。

引力と斥力の緊張状態で押し引き去れる危ういバランス。

何がどう転ぶのか、正解は誰にも分らない。

行動や発言がよかったのか悪かったのか、そんなことはすべて結果論にすぎなくて、先の見通しは誰にも立たない。そんな時代の話。

アマテラスオオミカミ(天照大御神)は、女性の太陽神だが、その崇拝もこの時期にはじまったもの。

そうした史実を踏まえた上で、丁寧に演劇の脚本もつくられていて、伊藤靖朗 さんの演劇手腕の巧みさには舌を巻いた。

まだ平日は空きがある日もあるようです。

ぜったいに後悔しない2時間になるので、ぜひぜひ行ってほしいー!!

熱演を体感してほしい!!

P.S.

花輪の数もすごく、かぐわしいお花の匂いが、入り口で意識を変容させるように出迎えていた。

P.S.

販売パンフレットに、自分が寄せた文章も載ってたりします。

 

■舞台『暁の帝〜壬申の乱編〜』

@池袋シアターグリーン Big Tree Theater

6/27(水)〜7/1(日)全8ステージ

http://produce-party.com/akatsuki

http://stage.corich.jp/stage/90564

----------------

公演詳細

期間 2018/06/27 (水) ~ 2018/07/01 (日)

劇場 シアターグリーン BIG TREE THEATER

出演 小澤雄太、森田桐矢、佐藤美希、青山倫子、八神蓮、伊藤優衣、青谷優衣、田代絵麻、松大航也、野田孝之輔、豊田茂、奥田努、檀上太郎、時任勇気、坂川裕大、真城まゆ、久保田真旺

脚本 伊藤靖朗

演出 伊藤靖朗

タイムテーブル

6月26日(火) 19:00~

6月27日(水) 19:00~

6月28日(木) 19:00~

6月29日(金) 14:00~/ 19:00~

6月30日(土) 13:00~/ 18:00~

7月1日(日) 12:00~/ 17:00~

スタッフ

音楽:福廣秀一朗

殺陣指導:佐々木恭祐 横瀬雅斗

舞台監督:木村 篤

音響:島 猛

照明:青木大輔

美術プランナー:YANG仁榮 

衣装:Number.3

メイク:ひつじ

小道具:加賀谷 静

美術プランナー助手:荒木涼子 山田彩水 

宣伝写真:田中和孝

宣伝デザイン:徳永 健

アートディレクション:目黒水海

当日運営:高橋恵梨子 

制作:高橋あゆみ

協力:LDH JAPAN ボックスコーポレーション ホリプロ レプロエンタテインメント ルビーパレード  サンズエンタテインメント キューブ 鈍牛倶楽部 スパイスパワー 地下空港 青年座 スタジオライフ 創造集団g-クラウド アミューズ プラチナムプロダクション 代々木アニメーション学院 イトーカンパニー シアターグリーン BLUE LABEL MMJ

プロデューサー:たちばなやすひと / 藤原マリエ

アソシエイトプロデューサー:仲村和生 / 稲葉俊郎 / 朝比奈文遂 / こまね子

企画:『P』 / Nemeton / マリエ・エンタープライズ

主催:「暁の帝」製作委員会

 

© All right reserved TOSHIRO INABA

bottom of page