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長門湯本温泉と恩湯

大分から山口へ。

関門海峡、壇ノ浦を越えるとき、その渦潮に安徳天皇に鎮魂の祈りを。

山口では長門湯本温泉へ。










この場は温泉、神社を中心にした新しい町づくりが積極的に行われており、新しい場を共に創り、開く、ということで大いに学ばせてもらった。


岡昇平さん建築の恩湯は、温泉が神聖な行為であり、禊ぎである、ということを深く理解した空間の作りとなっている。コロナ禍を経てやっと入りに行けたことが大きな感動だった。

恩湯に、ぜひ入って体験してほしい。

唯一無二の空間でもあり、同時に温泉という奇跡の水が湧く場所を古代の人たちがどう受け止めたかを改めて考えさせてくれる神聖な場。第二回「湯道文化賞」を受賞されている。


ちなみに、恩湯にはルフロのクラフト温泉もあり、そうした新しい挑戦に取り組んでいただけるのも大きな母性。










長門湯本は山道を通ると、山あいに突然開けた場が生まれる。一本の川が流れ、川には小さい橋がかかり、人々の生活の息づかいが感じられる。このひとつも欠けることができない風景の全体性こそが、転地療養につながる場でもあった。


どの温泉地にも歴史があり、そこに神仏や動物などの自然界の叡智を持った存在の物語が同時に存在している。

そうした物語をひとつひとつ拾い上げて丁寧に研究していくことも、私なりの個人的なライフワークにしていきたい。

そうした歴史の視点や神仏の視点を取り込めているのも、長門湯本の魅力の厚みとなっている。




長門湯本では、夜は美しいライティング。金子みすゞさんの詩と、地元の小中学生との共同制作。


水面がゆらゆらとゆらめきながら光も揺らめき、意識も揺らぐ。意識が揺らぐことで、意識の組成が変わる。水が固体、液体、気体の間を揺らぎ続けるように、意識も硬くなったりほどかれたりして、温泉が心身に働きかける効果は計り知れない。










 

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