沖縄と歴史とグェンナ(神歌)
- inaba
- 4月29日
- 読了時間: 3分
先日、仕事で沖縄に行った。
沖縄の西側。北谷(ちゃたん)の海。はじめて行った地。
沖縄の東側。世界遺産群の一つにもなっている沖縄市の勝連城近く。
西側も東側も、海はとにかく美しい。













西側の北谷(ちゃたん)にはアメリカンビレッジがあり、文化が交じり合って異国の雰囲気が醸し出されている。







近くには基地があり、轟音が鳴る。

海は人間の営みを静かに見守っているよう。
揺りかごのようにユラユラと。
海を静かに見ていると、欲望もエゴも流されていくような気がするけれど、しっかり見ないと、記号としてのウミになるようだ。
沖縄に行って感じたことは色々ある。改めて歴史を学び直すきっかけになった。
沖縄は島なので、島内でエコシステムを完結させながら循環して過不足なく暮らす智慧が必要だ。そこではカミの信仰が必要になる。宗教的な暮らし。人間中心ではなくカミや自然を中心に据える。
琉球王国は日本とは異なる独立国家だった。ただ、島津藩から人頭税含めた、植民地支配に近い状況を迎える。武力と権力に為す術がなかった。ただ、日本全体にもペリーをきっかけに地球全体の植民地支配が襲う。ペリーも沖縄に上陸。日本は海外へ対抗するために明治維新を迎える。
1878年、中国の清は、琉球王国は清のものだ、と主張。
日本と清の間で三分割案が勝手に協議。
奄美、徳之島、与論までは日本。
久米島と沖縄島は琉球王国。
宮古島、石垣島、西表島、与那国島は清。

結果的には、
1879年、琉球王国は明治政府の廃藩置県の政策で、独立国家ではなく、沖縄県となり、日本の一部となった。琉球王国としてまとまっていたのは500年。
1894年の日清戦争で日本が勝利したため、沖縄諸島は日本のもの、となった。ただ、そもそもは琉球王国は独立国家だったことは大事だろう。日本に編入されたから清に占領されなかったとも言える。
沖縄は第二次世界大戦でも地上戦が行われて、戦争の映像は涙なくしては見れない。
沖縄はアメリカの領土となり、日本に変換されたのが、1972年。
私が生まれたほんの7年前。
そんな複雑な琉球王国の歴史を感じながら、それでも、なお神人かみんちゅ、たちが唄う神唄は、永遠の層の一部のように高らかで朗らかで底抜けで、美しく。

アキリ カミガミチ
(開きり 神が道)
-平安名のグェンナ(神歌)-
1.
開けよ 神の道
開けよ
神の道
開けたので
神は喜ばれた
2.
開けよ シジの道
開けよ
シジの道
開けたので
シジは降りてこられた
3.
置いておけ 白むなしを
置いておけ
白むなしを
置いたので
神は喜ばれた
4.
オボツカグラは
遠く
あっても
集まってくるエケ(兄)たちは
願いがあるのでしょう
5.
こんなに遠く
あっても
女たちは
願いが あるのでしょう
女たちは
願いがあったので
集まって来た
現代のように、武力や権力こそが正義、の時代の中で、わたし達が過去の反省から学びとり、どういう方向へ歩みを進めるのか、問われていると思う。
外界の旅は、内界の旅を誘うもの。












●沖縄 久高島のイザイホウー第一部ー
●沖縄 久高島のイザイホー-第2部- 東京シネマ新社1979年製作
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