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横尾忠則さんの大規模個展「連画の河」@世田谷美術館

  • 執筆者の写真: inaba
    inaba
  • 4月27日
  • 読了時間: 3分

GUCCI銀座に続き、横尾忠則さんの大規模個展「連画の河」@世田谷美術館に見に行く。






88歳にして進化し続ける天才の横尾さん。

天才と安易に言葉を使うのがはばかれるほど、その圧倒的な仕事量は常人では理解できないスピードと量と質。異次元としか言いようがない。

横尾さんのアトリエに御呼ばれしてお話しさせていただく時(とは言っても、横尾さんは私にとってのメンターのような導師のような存在なので、人生の指針や啓示を受けるために伺ってます)、常に新作の絵がズラズラと陳列されている。常にすべてがまるで違う。間近で見ると絵自体がオーラを放っているのが分かる。ニワトリが生んだ卵のようなホカホカでぴちぴちと命輝いている。


新しいスタイルに安住せず、常に自分の画風を壊しながら創造し続ける横尾さんのプロセスには、到底言葉にし得ない学びを受け取っている。それは絵の体験としか言えないものだ。



絵を体験するために展覧会に足を運び、ディスプレイの映像ではなく、実際のリアルな絵と一対一で対峙する。










今回のシリーズも、故人となった篠山紀信さんが撮影した同級生との記念写真のイメージをきっかけに、「連画(連歌)」が延々と繰り広げられ、迷宮に迷い込んだような気持ちになる。

古典絵画や時事問題、神話やシンボル、異界や別世界など、あらゆる要素は色彩と構成を巻き込みながら霊感により調和させていく。原始アニミズムのようにそこに命を宿し、絵が次の絵へと生殖行為のようにバトンを渡す。絵がいのちのリレーをしていることを空間で体験する。


見る側の無意識は激しく攪拌され活性化される。どの無意識の層が活性化されるかは、観る側によって異なるだろう。絵に描かれているものと絵に描かれていないものを複眼的に重ね合わせながら、絵の読み解きは不要とばかりに、鑑賞者は剥き出しの魂で阿呆となり全てを解き放って見ることが問われる作品群だ。










なぜこんなにもすごい絵が描けるのだろう。

横尾さんには長生きして、もっともっと驚かせ続けてほしいです。


世田谷美術館は世田谷区砧公園の中にあります。植物の力で浄化された後に絵を見れる格好のスポット。川崎市岡本太郎美術館が生田緑地内にあるのと同じ体験です。







同時に2階で開催されている「世田谷でインド」展も、横尾さんの版画集《聖シャンバラ》(自分が一番好きなシリーズ!)もあり、こちらも存分に楽しめます。

ぜひ見に行って、フラフラになってください。


私も呆然となって帰り、帰りの新幹線で画集で復習しながら、新幹線内でもまたイメージの迷宮に連れていかれました。



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世田谷美術館

会期:2025年04月26日~2025年06月22日










 
 
 

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