ユウスゲ(夕菅)
軽井沢でよく見かける「ユウスゲ(夕菅)」という花。
1979年(自分が生まれた年!)、軽井沢滞在時にユウスゲ(夕菅)をお好きだった当時の皇太子さまと美智子さまに軽井沢町がユウスゲをお贈りしたとのこと。皇居でユウスゲを大切に育てられ、1982年~1984年に軽井沢植物園へと1000株以上にして戻された、と伺った。そのプロセスで、何かが付与されたのかもしれない。
そうした植物を介した交流こそが、草花や自然を大切にしようという心を軽井沢に根付かせたのだとしたら、本当に素敵なことだ。
わたしたち人間も誰かの子孫であるように、こうした植物も太古からの子孫。
生命のつながりには、あらゆる人たちの優しさや心配りが幾層にも網目のように錯綜している。
そうした網の目を壊さないよう、損なわないよう、むしろ深めて貢献できるように生きていきたい。
草花に落ちている一滴一滴の水滴を見ていると、水滴が落ちそうで落ちない角度、水滴を支えられる絶妙な強度、のようなものを、ひとつひとつの葉、ひとつひとつの枝が巧妙に全体のバランスを取りながら支え合い補い合っているように思える。
水だけではなく、光もすべてが必要な量を受けとれるように、と。
人工的にこの世界を造ろうとしても、永遠に完成しないほどの、究極のバランス。
美しい、とこちらの中に美の感覚が立ち上がってくるのは、完璧さではなく全体性のあり方をこそ、受け取ってこちらが反応しているように思う。
一滴の水、一筋の光を、あなたは大切にして生きていますか?と問われているように。
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