『安全モード』と『通常モード』をギアチェンジし続ける時代
昨日は、久しぶりのリアルなFace to Face?の講演でした。
軽井沢書店さんには距離をとるために贅沢な空間を準備していただき感謝です。
適切な感染防御(無症状であれば手洗いうがい)をしていれば、感染は防げます。僕ら医療従事者もインフルエンザ流行時から常に心掛けてきたことです。こうしてリアルな講演会の意義も噛みしめる場でした。(なんだか初めての人に会う会が久しぶりだったもので・・)
青本「いのちは のちの いのちへ ―新しい医療のかたち―」(アノニマ・スタジオ)の中でも書いていますが、これからのリーダーは、『安全で安心な場、創造的で共創的な場、友好的で友愛的な場』をいかにつくり、いかに担保できるか、というのが重要になってくると思います。
具体的な場のデザイン、そこにある哲学としての『いのち』への深い理解。
そうした場の中でこそ、わたしたちは真に力を発揮できると思います。
ヘイトスピーチやネット上での罵詈雑言が生まれる闇の力に吸収されないためにも、今後の基礎となる見えざる場づくりこそが、極めて重要なテーマだと思っています。
それは医療の本来的なテーマです。
同時にアートでも同じものを共有したい、と思い、山形ビエンナーレ2020は、そうした新しい場の一環としても機能できればと思っています。社会に不安が浸透し、余裕がなくなっている時代からこそ。
今後、新型コロナウイルスが収まっても、ワクチンが開発されても、天然痘のような根絶宣言?(それは人間との距離が遠くなった、というだけだと思っていますが)が出ても、このグローバル社会と、地球規模の自然破壊、そしてあらゆる遺伝工学含めた人工技術の発達と倫理や哲学の問題として、こうした未知の感染症との共存は延々と続くと思います。今までは局所的な風土病?で終わっていたものも、すべて地球規模の問題に発展していく土壌が、今の人工環境が準備しています。
縄文時代に戻れないように、前の時代には戻れません。
ただ、過去のいいものを受け継ぎながら、新しい社会へと進んでいくことはできます。
今後はギアチェンジを切り替えるような社会へと移行していくと思います。
感染症が危険なときは『安全モード』へ。安全を第一にしたモードへ。
感染症がない時は『通常モード』へと。特に制限のない通常モードへ。
ギアチェンジを常に切り替え続けるように、二段階の社会の構築へと向かっていくと思います。
そうした中で、第一次産業としての自然に直接結びついた仕事(農業・林業・水産業・・)を尊重しながら、『自然』や『いのち』を中心軸に据えた社会へと相転移を起こしていくと思いますので、あらゆる局面で、そうした準備を急ピッチで進めていく必要があるのではないかと感じています。兼業農家のように、みんなが何かしら第一次産業や『自然』や『いのち』と関係性を持つ。
青本「いのちは のちの いのちへ」(アノニマ・スタジオ)の中では、あえて抽象化して書いているところも多いのですが、底にある『いのちというフィロソフィー』という抽象的なものをこそ共有したいと思い、青本は書き上げています。
軽井沢書店さんにはこんなにもたくさん陳列していただきうれしかったです。

絵本コーナーに行くと、そこには『風越学園』の生徒さんたちが自分でチョイスした本棚があり、軽井沢書店は、そうした新しい場をつくろうとしている駆的な場だなぁ、と感動しました。(自分も子どもと一緒に絵本好きで、中軽井沢図書館の絵本も千冊ちかく読んでいると思うので、絵本ソムリエしたいなぁ、とも!)

9月に開催する山形ビエンナーレはOnline開催なので、軽井沢の方も参加できるものです。
ですから、軽井沢書店さんでも、そうした集いを企画できればなぁ、と妄想しています。
軽井沢には芸術と自然を愛するみなさんが大勢いると思いますので、山形ビエンナーレ2020を軽井沢という土地からも盛り上げて行ければな、と。
軽井沢書店のコーヒーもカフェオレも本当に美味しくて最高です。
ありがとうございました!
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