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ダムタイプ|アクション+リフレクション@東京都現代美術館

November 27, 2019

ダムタイプ|アクション+リフレクション@東京都現代美術館を見に行く。

 

 

 

見どころ多い展示だったが、自分は古橋悌二さんの遺作である《LOVERS》1994/2001 (second edition)に、深く心を動かされた。

この展示だけは写真撮影不可だったので画像はない。

 

自分が展示を見て頭に浮かんだのは、生命が受精し誕生する瞬間のとき。

この人を人間として生かすか生かさないか、生き続けることができるのかできないのか、男なのか女のか、それともその間なのか、どちらでもないのか、、、色々な選択が乱立する胎内(体内)で、神が人間の多様性と唯一性とを決めている瞬間に立ち会っているような体験だった。子供が寝ていたおかげで、浴びるようにかなり長い時間滞在できた。

 

古橋さんの思考は、自己と非自己、わたしとあなた、その境界点や離断点、そうしたボーダーに関心があるのだなぁと改めて思った。二元論の先を夢見てたのだなぁ、と思うと、きわめて東洋的な思考でもある。

 

東洋の論理では、AでありBである、AでなくてBである、AであるがBでない、AでなくてBでもない。こうした4形態を同時併記(数学でいえば「行列」)することで、常に全体性を損なわないように扱おうとしてきた。

 

古橋悌二さんをはじめ、高谷史郎さんや池田亮司さん含め、ダムタイプという一つの運動体にして連続体の全貌の一端を感じさせてくれる、無意識が活性化された展示だった。

 

深い哲学が、作品に強度を持たせているのだなぁ、と。【量】では測れない【質】は、深い思索や苦悩の先に、顕在化してわたしたちを慰め、励ますのだろうなぁ、と改めて思う。

 

 

 

 

 

 

 


ダムタイプ|アクション+リフレクション
2019年11月16日(土)-2020年2月16日(日)
東京都現代美術館

 

 

 

日本を代表するメディアアーティストグループ、ダムタイプによる個展を開催いたします。結成35周年にあたる2019年に開催する本展は、2018年にフランスのポンピドゥー・センター・メッス分館において開催された個展(キュレーション 長谷川祐子)の作品群や新作にパフォーマンスアーカイブなどを加え、よりバージョンアップした内容となります。
ダムタイプは、1984 年に京都市立芸術大学の学生を中心にマルチメディア・パフォーマンス・アーティスト集団として京都で結成され、中心的であった古橋悌二(1960-1995) をはじめとするメンバーが独自の表現活動を展開しつつコラボレーションを行う、ヒエラルキーのない集団として注目されました。
以降、日本の1980年代バブル経済における表層性の中にあった「情報過剰であるにもかかわらずこれを認識できていない(=ダム* )状態」を敏感にとらえ、誘惑と絶望が共存していた時代に、鋭い批評性をもって活動を展開しました。そして、多くの言葉を使う演劇集団の空疎さに対する抵抗として「ダム(セリフの排除)」という手法を選択し、装置、映像、音、これらに反応するパフォーマーの生の身体によって作品を構成しました。彼らは、デジタルと身体が新たな関係を持つことで生まれる「ポストヒューマン」のヴィジョンを、その革新的な視覚言語と思想によって、日本から世界に先駆けて表現したパイオニアといえるでしょう。本展は、大型インスタレーションによって構成される大規模個展であるとともに、古橋悌二の没後も独自のスタイルで若手アーティストに大きな影響を与える高谷史郎や池田亮司らに加え、若いメンバーを得て活動を続けるダムタイプの、まさに「ダムタイプ- タイプ」といえる卓越したあり方を包括的にみせる試みです。

*ダム dumb [英] :間抜け、ばかげた、口をきこうとしない、の意

 

 

 

 

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