花椿、資生堂ギャラリー、ねじまき鳥の舞台化

もろもろと。

資生堂発行の、『花椿』秋号の最新号。

銀座の資生堂ギャラリーに置いてあります。フリーの冊子なので、ぜひ。

ギャラリーは洞窟の花園を探しに行くようで、静謐な展示でした。

第13回 「shiseido art egg」展 ■ 今村 文展 会期:2019年7月5日(金)~7月28日(日)

●2019/7/15:『花椿』秋号(HANATSUBAKI MAGAZINE No.824 AUTUMN ISSUE 2019)「Sports are beautiful」:

稲葉 俊郎「生命100% の充実から生まれる美」 (取り扱い:資生堂関連施設および全国の書店→配布場所)(花椿Web

ついにねじまき鳥クロニクル、舞台化!!!! 自分も水面下で手伝ってます。笑

脚本は、イスラエルの奇才インバル・ピントとアミール・クリガー、そして藤田貴大さん、というすごい組み合わせ。しかも、音楽は大友良英さんの生演奏!(になるはず)。 ホリプロはすごいー!春樹さんと交渉して実現させるのはお見事!

2020年は、いろんな意味で激動の年になりますね。 自分自身を信じて、しっかり軸を保ち、時代の大きなうねりを共に楽しみましょう!

世界を魅了した村上春樹のベストセラー、ついに舞台化! 国内外のトップクリエイターが集結!

公式Web

ねじまき鳥クロニクル 2020年2月上旬~3月1日 東京芸術劇場プレイハウス

世界中で絶賛される村上春樹の代表的長編小説『ねじまき鳥クロニクル』――。“Haruki Murakami”が、世界で読まれるきっかけとなった作品が、2020年2月、いよいよ舞台化される。この舞台を創り上げるのは、イスラエルの奇才インバル・ピントと気鋭のアミール・クリガー、日本の演劇界に新しい風を送り続ける藤田貴大、そして独自の音楽世界を持つ大友良英。芝居、コンテンポラリーダンス、音楽が融合し、既成のジャンルを創造的に超える空間が立ち現れる。Tokyo Tokyo FESTIVALの助成を受けた「ねじまき鳥クロニクル」に国内外で大きな注目が集まる。

演出・美術・振付のインバル・ピントは、日本ではミュージカル「100万回生きたねこ」や百鬼オペラ「羅生門」を手掛け、高い評価を受けた。彼女は原作の世界をファンタスティックに描き、唯一無二の舞台空間を生み出して日本の演劇界に大きなインパクトを与えたことは記憶に新しい。 共同演出と脚本を担当するのは、演劇団体「マームとジプシー」を主宰する藤田貴大。様々なジャンルのアーティストとコラボレートするなど現代演劇の新たな可能性を広げている藤田が、インバル・ピントと初の共同演出に挑む。

そして音楽は、藤田が絶大な信頼を寄せる、世界的な即興演奏家の大友良英。NHK「あまちゃん」「いだてん」など映像作品の音楽でも広く活躍する大友によって、演出家の世界観が生演奏と歌でヴィヴィッドに体現される。

村上春樹作品の舞台化といえば、蜷川幸雄演出による「海辺のカフカ」が今年2月のパリ公演、5月の凱旋公演で大きな反響を巻き起こしてラストステージを終えたばかりだ。 今年、作家デビュー40周年を迎えた村上春樹の作品群の中でも、きわめて重要な意味を持つと言われる長編『ねじまき鳥クロニクル』。その深い迷宮のような世界が、時代の先端を疾走するエッジの効いた表現者たちの手によって、どのように舞台の空間に浮かび上がるのか。村上ワールドの新たな演劇表現への期待が高まっている。

―スタッフコメント

■演出・振付・美術:インバル・ピント 大好きな日本でまた仕事をさせてもらえることをとても嬉しく思います。 村上春樹さんのスケールの大きな物語を凝縮し、ドラマ性やミステリー要素を失わずにダンス、音楽、テキストなどの表現を用いて舞台化するのは、大きな挑戦です。 アミール・クリガーさんとは、お互いに持っている世界観が近いということはわかっていますが、一緒に仕事をするのは今回が初めてです。打ち合わせを重ねる中で、彼と共に作品をより深いものにし、一人ではたどり着けないような領域に達することができるだろうということに気づき始めています。 まだ多くの時間を共有できていませんので第一印象にはなりますが、藤田貴大さんは聡明で優しい方だと思います。 大友良英さんはこれまで私がご一緒したどの音楽家とも違った方法で音楽を作り出す方なので、この作品ではどんな音が生まれるかとても興味深いです。 好奇心を刺激するクリエーターの皆さんとの共同作業をとても楽しみにしています。

■脚本・演出:藤田貴大 村上春樹さんが「ねじまき鳥クロニクル」で扱っている30代の男性は自分と同じ世代で、今自分が取り組みたいモチーフと一致しているから、とても興味があります。 今回一緒に演出をするインバル・ピントさんの作品を過去に観て、その世界観に惹かれて、彼女の創作現場を見てみたいと思いました。そして、今までも作品を共に作ってきた大友良英さんとの新しいクリエーションもとても楽しみです。

■村上春樹『ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編』 「近所の木立からまるでねじでも巻くようなギイイイッという規則的な鳥の声が聞こえた。 我々はその鳥を「ねじまき鳥」と呼んでいた。クミコがそう名づけたのだ。本当の名前は知らない。どんな姿をしているのかも知らない。 でもいずれにせよねじまき鳥は毎日その近所の木立にやってきて、我々の属する静かな世界のねじを巻いた。」

(本田さん)「流れというのが出てくるのを待つのは辛いもんだ。 しかし待たねばならんときには、待たねばならん。 そのあいだは死んだつもりでおればいいんだ。」

(本田さん)「流れに逆らうことなく、上に行くべきは上に行き、下に行くべきは下に行く。上に行くべきときには、いちばん高い塔をみつけてそのてっぺんに登ればよろしい。 下に行くべきとには、いちばん深い井戸をみつけてその底に下りればよろしい。 流れがないときには、じっとしておればよろしい。 流れにさからえばすべては涸れる。すべてが涸れればこの世は闇だ。」

************ ■村上春樹『ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編』 (加納クレタ)「良いニュースというのは、多くの場合小さな声で語られるものです。」

(加納マルタ)「今は待つしかありません。しかしおそらく近々に、いろんな物事が明らかになっていくでしょう。今は待つしかありません。お辛いとは思いますが、ものごとにはしかるべき時期というのがあります。潮の満干と同じことです。誰にもそれを変えることはできません。待つべきときにはただ待つしかないのです」

(加納クレタ)「たしかに岡田様のまわりではこの何ヵ月かのあいだにいろんなことが起こりました。それについては私たちにも幾分かの責任があるかもしれません。でもそれは遅かれ早かれいつかは起こらなくてはならないことだったのではないかと私は思うのです。 そしていつか起こらなくてはならないことであったのなら、それは早く起こった方がかえってよかったのではないでしょうか?私は本当にそんな風に感じているのですよ。いいですか、岡田様、もっとひどいことにだってなったのです」

「ねじまき鳥は実在する鳥なんだ。どんな格好をしているかは、僕も知らない。僕も実際にその姿を見たことはないからね。声だけしか聞いたことがない。 ねじまき鳥はその辺の木の枝にとまってちょっとずつ世界のねじを巻くんだ。 ぎりぎりという音を立ててねじを巻くんだよ。ねじまき鳥がねじを巻かないと、世界が動かないんだ。でも誰もそんなことは知らない。 世の中の人々はみんなもっと立派で複雑で巨大な装置がしっかりと世界を動かしていると思っている。でもそんなことはない。 本当はねじまき鳥がいろんな場所に行って、行く先々でちょっとずつ小さなねじを巻いて世界を動かしているんだよ。それはぜんまい式のおもちゃについているような、簡単なねじなんだ。 ただそのねじを巻けばいい。でもそのねじはねじまき鳥にしか見えない」

「俺はね、どちらかというと現実的な人間なんだ。 この自分のふたつの目で納得するまで見たことしか信用しない。 理屈や能書きや計算は、あるいは何とか主義やなんとか理論なんてものは、だいたいにおいて自分の目でものを見ることができない人間のためのものだよ。 そして世の中の大抵の人間は、自分の目でものを見ることができない。 それがどうしてなのかは、俺にもわからない。やろうと思えば誰にだってできるはずなんだけどね」

「あるいは僕は負けるかもしれない。僕は失われてしまうかもしれない。どこにもたどり着けないかもしれない。どれだけ死力を尽くしたところで、既にすべては取り返しがつかないまでに損なわれてしまったあとかもしれない。僕はただ廃墟の灰を虚しくすくっているだけで、それに気がついていないのは僕ひとりかもしれない。僕の側に賭ける人間はこのあたりには誰もいないかもしれない。 「かまわない」と僕は小さな、きっぱりとした声でそこにいる誰かに向かって言った。 「これだけは言える。少なくとも僕には待つべきものがあり、探し求めるべきものがある」

************ ■村上春樹『ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編』 「あるいは世界というのは、回転扉みたいにただそこをくるくるとまわるだけのものではないのだろうか、と薄れかける意識のなかで彼はふと思った。 その仕切りのどこに入るかというのは、ただ単に足の踏み出し方の問題に過ぎないのではないだろうか。 ある仕切りの中には虎が存在しているし、別の仕切りの中には虎は存在していない ーー要するにそれだけのことではあるまいか。そこには論理的な連続性はほとんどないのだ。」

(笠原メイ)「ねじまき鳥さん、何かがあったら大きな声で私を呼びなさいね。私と、それからアヒルのヒトたちをね」

「正確に言えば、僕は君に会うためにここに来たわけじゃない。君をここから取り戻すために来たんだ」

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