アナウンス 『杉本文楽 女殺油地獄』
面白そうなものを、Shareしたいと思い、ときどき勝手に宣伝部長してます。
世界的な美術家である杉本博司さん。 表現は写真だけにとどまらず、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理、・・・と多岐に渡ります。貫通しているのは、歴史や時の重みです。 骨董も専門でされていたこともあり、古典芸能にも深い造詣があります。
08/11(金・祝)から08/13(日)に、世田谷パブリックシアターにて杉本文楽「女殺油地獄」!というとんでもないタイトルの講演があります。
近松門左衛門に、杉本さんの息吹を与えて現代に蘇生させる文楽の舞台です。
近松が、なぜこうした過去の凄惨の事件を作品化したのか。 やはりそれは死者への鎮魂だと思います。究極の「見取り狂言」を目指した公演、と書いてありました。
文楽とは、人形浄瑠璃のこと。 江戸時代に歌舞伎と同時期に生まれた総合芸術です。
太夫の語り、三味線の音、人形遣いの動き。 この三位一体の芸術には、西洋とは全く異なる静寂なる美意識を感じます。
物語を人形に仮託させることで、人間の営みを感情を超えた視点から客観的に見て、体感することができる。日本が生んだ極めて特異な美の世界。
古典に伝えられた美の世界と、杉本博司さんの美意識が入り混じった公演は楽しみです。
杉本博司さんからも、かなり気合の入った公演のようですし、ぜひぜひお見逃し無きように、とのコメントです。
杉本博司さん、人形浄瑠璃、日本の古典作品、近松門左衛門、鶴澤清治さんの三味線にも、どれかにピンと来られた方は、是非足をお運びください~。
自分は8/11金曜の会に行きます!
=============
【日程】 2017/08/11(金・祝) ~ 2017/08/13(日) 【会場】 世田谷パブリックシアター 【作】近松門左衛門『女殺油地獄 下之巻より』 【構成・演出・美術】杉本博司 【作曲・演出】鶴澤清治 【振付】山村友五郎 =============
ちなみに。 熊本には山都町(旧・清和村)に「清和文楽」という農民の人たちが伝えている人形浄瑠璃があり、それはそれは素晴らしいものです。 芸術がプロやアマへと分化していく手前の、民衆の素朴な美への思いがあふれています。 熊本に行かれるときは、こんな山奥に!!と驚くと思いますが、「清和文楽」にもぜひ足を運んでほしいです。
熊本県上益城郡山都町大平152