高校時代とレコード
講演のため鹿児島に行った。帰りは熊本を経由して帰宅。
熊本の実家でレコードを発掘してみた。
高2まで狂ったように聞いたLPを、高3から封印した若き日々を思い出した。
そのとき、サニーデイサービスの「東京」で、聞きおさめをした。
このアルバムで「東京」をイメージしながら、勉強を頑張ったのだ。
そのおかげで、今こうして東京で暮らしている。
音楽の影響というのは、おそらく10年か20年を経て、ジリジリと顕現化してくるのかもしれない。
Nirvanaのピクチャーレコードなんて、かなり珍しいと思う。レコードは本当に美しい。
当時、CDではなくLPばかり聞いていた。CDの音にはないレコードの深みを体験してしまったからだ。
当時、感性が弾けていたので、そうした自分の感性に素直に従わざるを得なかった。自分に嘘を付けなかった。
UAさんのLPがたくさんあった。CD以上に、LPは大切に扱う。だから、そうしたこちら側の「大切にする」という思いも、音楽に溶け合っているように思う。UAさんは音が錆びず、時を経るほど深みを増している。
日本人歌手でもLPを出している歌手ばかり、心に深く食い込んでいる。
宇多田ヒカルさんのLPも素晴らしかった。
高校時代はお金がないから、本当に何度も何度もお経のように聞いていた。
井上陽水がデビューする前、アンドレ・カンドレという名前だった。このLPを持っている高校生はあまりいないだろう。
陽水のフォーク世界が好きだった。青春時代というのは、ある種の暗さや屈折を必要としながら、光と闇を統合させながら光に向けて成長していくのだと思う。