現代茶経 第1章(Contemporary Tea Sutra - Chapter 1)/山の上の陶器市 @山形ビエンナーレ

9/9金曜から山形ビエンナーレの2週目がはじまっています。


週末(金土日+祝日)しか開催していませんが、それがとてもいいと思いませんか?

わたしも含め、平日はなかなか見て回れない人が多いです。だからこそ、疲れた平日の日常を潤すようにして、週末開催になっています。

人があまり来ないときに留守番をする学生さんにも大変だろう、という学生への愛もそこにはあります。そうしたことも、わたしは山形ビエンナーレから愛や優しさを感じる所以です。

あまり書くと身内びいきと勘違いされるので、これくらいにしておきます。



わたしも体が一つしかないので、体験したことや、噂聞きして想像や妄想を膨らませたことを拡張しながら、山形ビエンナーレの宣伝をしていきます。

芸術監督ですが、わたしは広報部長も勝手に兼ねています。



現代茶経 第1章(Contemporary Tea Sutra - Chapter 1)/山の上の陶器市

https://biennale.tuad.ac.jp/project/tea


みなさん、茶道、ってご存知ですか?

もちろん知ってますよね。体験した方は、着物、正座、畳・・・というイメージが強いかと思います。


わたしも、その正統スタイルで何度も体験したことがあります。

それはそれは奥深い世界で、追求していくと、千利休の世界まで一本の糸でつながらないといけないくらい、時空を超えていく世界です。

これまで、茶の世界には数多の才人・傑物が登場しているので、そこで生まれた作法や規則は山のようにあります。

もちろん、茶道の中の人になると、そうしたしきたりをしっかりと守る必要があります。ルールはルールです。

ただ、多くの非茶道人には、それこそが茶道に高い壁を感じる要素にもなるわけですね。


敷居を下げることで、もっと面白い人が茶道の世界に流入してくる可能性があります。

現代茶経は、そうした魅惑的な挑戦でもあります(と私は解釈しています)。


会場で見れば一目瞭然ですが、キュレーターである深井聡一郎さんの眼は確かなものがあります。それっぽい雰囲気を醸し出す、とかではなく、かなり真正面から本質的に茶道に切り込んでいると私は感じます。


わたしも数多くの茶会に呼んでもらい、門外漢ながらその世界の一端を知っている人間ではありますが、深井さんはそうした伝統の世界とまったく異なるもう一つの世界をつくろうとされています。


そもそも、選定作家がみなさん素晴らしいです。

まず、そうした作家を見る目が確かである、ということだけで、すでに信頼です。


茶器やお皿など、現代人にしかつくれない洗練さを感じます。利休の時代と違って、今はスマホやWifiなど高度な技術に溢れていますから、情報化社会の極みです。

「誰かの真似じゃないか?!」など、画像検索して指摘されるようなヒリヒリする時代を生きる作家の皆さんの心情は、察するに余りあるものがあります。

ただ。

だからこそ利休の時代には到達できなかった独自の現代茶道の世界へ高められているのでは、と、わたしは感じました。


つまり、容易に比較される時代だからこそ、現代作家たちは固有の創造の源泉を探らざるを得ず、そこにはデジタル社会ならではの自然界と人工界とのカオスが写し鏡のように浮かび上がっているのです。



わたしは、Q1での野外販売と、Q1の3階での展示を見て、作品を愛でながら、とても爽やかで心地よい気持ちになりました。

写真を撮っていいかどうか確認せず撮っているので、もしまずかったらすみません。

この掛け軸見てください。

めちゃくちゃかっこよくないですか?

紙じゃなくてメタル(金属?)でできているんですよ。

しかも3次元の立体です。

利休や織部が見たら、地団駄踏んで悔しがったと思います。







こうして、数寄ものたちは、現代にも生きています。

わたしは、この作品を見た瞬間に、深井さんが立ちあげた場の成功を確信しました。

作品により、場がイキで風流なものとして立ち上がっています。

まさに茶室です。


こうしたものを、千宗屋さんや杉本博司さんなど、巨匠の茶人の方々のお茶会で使っていただけないものでしょうか。どなたか間接的にお伝えいただきたいです。なかなかお二人とも直接会う機会がありません。


深井さんの現代茶経はかなり先端を突き進んでいると思います。現代の茶人たちも、ぜひ山形ビエンナーレでの作家の素晴らしい作品を使い、現代茶会を開いて頂きたいです。










もちろん。

プロ茶人ではなくとも、誰でもインスピレーションを刺激される作品が目白押しです。

お金がなくて買えない!という方は、来場していただき、脳内でこの器を使ってリビングで茶会をしていることを想像して帰ってもらえるだけでも十分です。

実際、わたしもお金持ちではないので高い作品は買えません。

買いやすい値段の青空市では二つの器を買いました。

ただ、知人と偶然会い、嬉しくなって器を勢いでプレゼントしてしまいましたので、手元に無く、残念です。すこしの後悔がにじみ出ているかと思いますが、そんな勢いが出てしまう程に場の活気・エネルギー純度は高いのです。









お茶を用いたクラフトコーラも美味でした。


ドイツ麦芽とカラメル麦芽の麦汁から麦芽糖を作り、1時間かけて70度で煮出した麦汁は糖度30度になる。それをベースにして、太平猴魁(タイピンホークイ)(安徽省黄山市で作られ押し花のように大きく平らなお茶)+小青柑(シャオチンガン)(青い蜜柑にプーアル茶を詰め込み乾燥させた物)で作られるのが、お茶を用いたクラフトコーラ!!驚きです!!!


しかも美味しかった。これがまさに現代茶 Modern Teaなのでしょうか。







上のものは1週目の話なので、2週目からはまた違ったものかとは思いますが、あー行きたかったなぁ、と思った方は、ぜひ山形のQ1に足をお運びください。


みなさん、おもてなしの精神でお待ちしております!


現代茶経 第1章(Contemporary Tea Sutra - Chapter 1)/山の上の陶器市

https://biennale.tuad.ac.jp/project/tea










みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2022

テーマ 山のかたち、いのちの形《いのちの混沌を越え いのちをつなぐ》

開催地・会場 山形県山形市中心市街地

山形県郷土館「文翔館」、やまがたクリエイティブシティセンターQ1(山形市立第一小学校旧校舎)、やまぎん県民ホール、市街地商店街、リノベーション物件等

会期

2022年9月3日(土)・4日(日)・9日(金)・10日(土)・11日(日)・16日(金)・17日(土)・18日(日)・19日(月祝)・23日(金祝)・24日(土)・25(日)

※一部の会場を除き、金・土・日・祝日のみ12日間の開催