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ボンクリ・フェス2022@東京芸術劇場

藤倉大さん主催のボンクリフェス2022(Born Creative”Festival 2022 )。


藤倉大さんは、いつも音楽の最前線を見せてくれる方です。

「現代音楽」という名前が適切なのかどうか、もはや分かりませんが、武満徹さんの音楽に触れて以後、この世界は常にアップデートし続けています。「現代」は常に伝統と革新の中で更新され続けています。


藤倉大さんの融通無碍な音楽の世界には驚くことばかりですが、私がまだこの世界から聞き取れていない音や音の集合体のようなもの、それは自然界と人工界が一体化したような音の世界、メロディーやリズムという言葉ではおさまらない何事かを、人種や国家や国籍のようなボーダーラインを軽やかに越えながら提示してくれる稀有な存在です。


大友良英さんの新作も、演劇を見ているような楽団を見ているような、面白い音楽世界でした。そこには物語と第三の世界がありました。

新しい音楽を切り開こうとしているひとたちの挑戦には、いつも刺激を受けます。





全体のプログラムも想像を超えたものばかりで、プログラム制作者の芸術や音楽への熱い思いが伝わってきました。混迷な時代の中でも、文化の灯を消してはいけない、と。








東京芸術劇場でのマームとジプシーのcocoonが公演中止になってたのは残念です・・。藤田貴大さんも違うリアリティを生きてる稀有な演出家なので、藤倉大さんや大友良英さんと同じく、何を表現されるのか、常に楽しみにしている方です。










ちなみに。

こちらは5年前!の開催時の感想。



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(公式HPより)


「ボーン・クリエイティヴ」、略して「ボンクリ」。


これは、「人間は皆、生まれつきクリエイティヴだ」という意味。


 


僕が行っていた福島県相馬市での作曲教室では、5歳から高校生までを対象に世界から新しい音楽のエキスパートの演奏家を迎えて特殊技法等をみっちり紹介し、その場で子供達が新しい音楽(現代音楽と呼ぶ人も多いかも知れない)の作曲をする。しかもすべての音や指示を楽譜にきちんと記し、自分の作曲した作品をその場でプロの演奏家に演奏してもらう。そんな演奏家は、子供達が作曲中、子供達からの様々な楽器に対する質問に答え、試し弾きをしながら小さな作曲家たちとコラボレーションする。 子供たちのアイディアを楽譜にし、時には言葉が通じない海外からの演奏家らに問題なく自分たちの音楽を演奏してもらうスペシャルな環境だった。


 


この作曲教室を何年か継続していてわかったことは、全ての人間は子供の頃、「新しい音楽」「新しい音」、そして5歳の子供の言葉を借りると「変な音」が好きだったということだ。


 


なぜかそのクリエイティヴィティは成長するにつれ、失われていく。


 


この「ボンクリ」では、大人になっても5歳の子供のままクリエイティヴでいる人達の作品を紹介。今年はコロナも制限が許す限りの範囲で子供たちも参加でき、子供たちが演奏するコンサートがある。子供から大人までが新しい音楽に触れ、楽しめるイベント。演奏家と共に参加し、一緒に音楽を作るワークショップもあり、即興音楽もあり、箏をはじめとする日本の伝統音楽、エレクトロニクス(電子音楽)も、アンサンブル作品もある。東京芸術劇場館内に「新しい音楽」が満ち溢れる。


 


一生分、少なくとも1年分の“世界中の新しい響き”を堪能することができるまたとない機会。7月15日&16日は是非芸劇へ!


 


藤倉 大(作曲家/ボンクリ・フェス アーティスティック・ディレクター)

 



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