『広報かるいざわ』2022年7月号「対話がひらく未来 第3回」稲葉俊郎×荻原確也(軽井沢町 教育長)

7/1の広報かるいざわ、では、「対話がひらく未来 第3回」として、荻原確也さん(軽井沢町 教育長)との対話が載っています。軽井沢病院HPにも全文がいづれ載ります。  


医療においても、最も大切なのは予防であり、教育こそ究極の予防医学である、と思っています。人間教育、自己教育は、いのちの教育でもあり。

子どもの頃から、いのちの観点からことばの扱い方を学ぶことも大事ではないかと提案しています。


●【Magazine】2022/7/1:『広報かるいざわ』2022年7月号「対話がひらく未来 第3回」稲葉俊郎×荻原確也(軽井沢町 教育長)(PDF)(→軽井沢町Web PDF






令和4年7月号は、軽井沢エコツーリズムの話もあり。








最後の図書館からのお知らせに、わたしの新著:稲葉俊郎「いのちの居場所」(扶桑社) の入荷お知らせもあり、うれしいです。こちらもぜひお読みください~!軽井沢書店にも入荷しているようです!





●【Book】2022/6/26:稲葉俊郎「いのちの居場所」(扶桑社)(→Amazon







 


軽井沢病院HPにも、全文掲載してありますので、ぜひお読みください~。

対話がひらく未来…「第三回 稲葉俊郎・荻原確也(軽井沢町教育長)」





(本文より)

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稲葉:「働き方改革」は、教育現場と同じで医療現場でも重要な課題です。

過重労働や自己犠牲が当たり前の文化の中で、多くの医療者がプライベートな生活を投げうって仕事をしています。わたしも研修医の頃からしみついているところがあります。

ただ、職場の過重労働は、個人の幸福感を失います。自分自身のウェルビーイング(Well-being)が実現されていないと、他者に強く当たったり、他者への嫌がらせ、嫉妬や憎悪も含め、お互いにいいことないと思います。

わたしも、院長になって最初に掲げたテーマが「誰もが働きやすい職場を共に創る」でした。医療を提供する側が、心身共にいい状態で働かないと、いい医療を提供できないと思います。今は、心も体も余裕がないのが現状ですね。

もちろん、医療も教育も、現場の労働時間を減らすと提供できるサービスの量は減りますから、社会全体で変化を受け入れていく必要もあります。お互いの立場を理解できないと実現できない課題ですね。例えば、医療現場で言えば、夜間の救急受け入れ病院を地域で限定せざるを得なくなるなど、医療者の過重な働き方を守るためには、相応の変化は必然だと思います。


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稲葉:むしろ病院という概念を、あなたたちの若い世代が拡張させて自由にする、というイメージを持っていただきたいんですね。固定観念を持たずに。自由な発想で医療に興味を持ってもらい、次の世代の導き手となって20年後や30年後にこの病院で活躍できる場を整えていく、というイメージを私は持っています。


そうした意味でも、地元の子供たちにも人間の命のこと、体や心のこと、実際にどういう働きを持ち、どういう時に不調となり、そして回復するのか、ということを共に学べる場をつくりたいですね。そうしたことは、教育現場で言えば、いじめの問題を解決することにも繋がってくると思っています。


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稲葉:教育の文脈も大事ですが、わたしは医療的な文脈で考えてみたいと思うんですね。

人間の心を理解することで、私たちがどういう交流をすれば良いかが理解できると思います。医療者の側も、そうした医療の文脈で、心の反応としてコミュニケーションを再学習していく必要があると思っています。

医療者は医療のプロとしての自覚を持ちながら、言葉は心にどういう影響を与えるのか、そうした観点で言葉のやりとりを考えていく。職場のムード、いじめやパワハラが起きる構造を考えると、やはり無意識に行っている言葉のやり取りから考えていく必要があるというのが私の印象です。


そうしたことは、幼少期からの教育のテーマでもあると思うのですが、そうした教育を受けていないからこそ、大人になってコミュニケーションでの不具合が起こるのではないかと思うんですよね。


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稲葉:若い方々と話すと、世代としては20年か30年くらい違うんですが、やはり感性が全く違うなと、いい意味で思います。初期設定が先に進んでいると思うんですね。インターネットや画像や動画など、国境のない世界が最初から開かれていて、考えが開かれている基礎にもなっています。

若い人たちと話すたびに、やはり良い未来を渡したいなという思いが強くなります。もちろん、日々自分の子どもと接していても思いますが、教育の場に立つことで、より強く責任感を感じるところがありますね。


学生の時代は可能性が無限に開かれている時代です。ただ、そうした可能性を潰すのも大人だったりします。長い時間をかけて開花させるのも大人の役割です。学校で学んでいる方々が、後の人生に長く響いていくような、魂を貫く体験があると素晴らしいなと思います。若い方々が軽井沢町の未来を背負う存在だと心の底から思っています。

軽井沢病院という場も、数十年後のイメージを重ね合わせながら、知識では得られない体験や経験を学ぶ場としても病院が存在するといいなと思います。

実際、教育は現場のスタッフにとってもいい刺激になるはずだと思うんですね。自分たちの初心を思い出す機会として、なぜ医療業界に入ろうと思ったのか、と。

そうした初心や原点を見直すことが自然に起きることが、ズレを補正するために必要だと思います。人間関係は固定化して膠着するものですから。学生さんたちの新鮮な視点が、わたしたちの職場をよくする刺激にもなるだろうと思います。


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稲葉:そういう考えの中で、医療と教育が対等に出会える場は何だろう、とも思うんですね。そこにアートのような自由になれる潤滑油も必要かもしれません。

交わる場ができることで、化学反応が起こる容器になります。停滞せずにエネルギーが循環するようなイメージを大切にしたいですね。

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