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永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(漫画)


永田カビさんの漫画『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』イースト・プレス (2016年)は、当事者の当事者による痛みを伴う成長の物語で、とても考えさせられる漫画だった。

タイトルは、ややインパクト重視な印象。

当事者が見ている風景は、やはり当事者でしか見えないものがあり、表現できないものがある。

だから、自分は当事者が書いた手記やルポを読むことが好きだ。主観的な現実を共有するために。

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<Amazon 内容紹介> 「心を開くって、どうするんだっけ…」

28歳、性的経験なし。生きづらい人生の転機。 pixiv閲覧数480万超の話題作、 全頁改稿・描き下ろしで書籍化。

高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。 そんな自分を解き放つために選んだ手段が、 「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった── 自身を極限まで見つめ突破口を開いた、赤裸々すぎる実録マンガ。

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鬱や引きこもりやリストカットもしてしまい、仕事も続かない、様々な悩みを持つ一人の女性。

彼女が自己発見しながら変容して成長して行くプロセスは、心をうつものがあった。

タイトルは、その中の一つの儀式に過ぎない。 彼女にとっての風俗は、何か古代の儀式を感じさせた。現代は儀式の本質を失いかけている時代だからこそ、若い人は個人でもがかざるを得ないのだろう。

この漫画の中には色々なテーマが内包されていた。

承認欲求、皮膚接触(抱きしめる行為に関して)、母、母なるもの、親子関係と人格の発達、他者からの言葉、子どもから大人へ、体への理解、知識とファンタジーの補完、コミュニケーション、性、儀式、、、、 など、人が子どもから大人になるプロセスで、ほぼ無意識に通過している関門のことを色々と思った。

他者が投げかける何気ない言葉の重要性にも、色々と思うことがあった。言葉は呪いとして人を強く縛り付けることもあるが、同時に呪いから解放するマジカルなものでもある。

永田カビさんの切実で命がけのルポが、こうした漫画という形で結実していることに、漫画という表現様式の全体性のすごさをすら感じる。

表現というのは、やはり自分自身の根から発しないと、伝わらないものなのだと。

性というのは確かに高度なコミュニケーションだと思う。 そして、「秘密」に関わることでもある。 だから、春樹作品にも様々な形で主題の中に潜ませているのだろう。

性は「たましい」に関することだから、地獄行きから天国行きまで、切符が準備されているのだろう。


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