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『未来の医療と健康の場 ~生活の日常と旅の非日常~』

アロマセラピーや植物療法の専門誌、今月号の「aromatopia No.159」(2020/4月号)は、【特集】自然療法とツーリズム です。こちらに自分も文章を寄せています。

『未来の医療と健康の場 ~生活の日常と旅の非日常~』稲葉俊郎(軽井沢病院総合診療科)

未来の医療の場がどのようになるのか、その最初のモデルケースをなぜ軽井沢でやるのか、その辺りを書いています。


















まさに今、コロナウイルスという生命の介入により、今までの水路に水が流れなくなっています。 だからこそ、「新しい水路」をみんなの力で創り出していく時代です。過去の栄光はすべて忘れて、新しい発想で考えていく時代。旧式の水路はもう壊れていたのですが、ガムテープで仮に補修してなんとか帳尻あわせていただけで、もう対症療法では追いつかなくなっただけです。


次の時代は「命」を中心に水路が流れていく時代になると確信しております。

そういう意味でも「農」や「食」は中心です。食べ物がないと人は死にます。体の生命を担うのは「農」や「食」。 「専業農家」と専門分化して完結する時代ではありません。過去に、「兼業農家」という優れたシステムにより「農」を広く支えてきたように、「兼業農家」が復活することでしょう。みんなで土を耕す時代。 そして、「医療」にも「兼業医療家」がたくさん生まれてきて、誰もが「命」に係わる仕事を取り組んでいく時代になりると思います。



体の食を担うのが「農」。 そして、心の食を担うのが「文化」や「芸術」。 その二つをつなぐのが「医」です。

今は、三つのバランスがチグハグです。そこに循環の環を取り戻す必要があります。


「aromatopia No.159」では、3ページしかないのでエッセンスだけしか書いていませんが、ただ自然回帰を言いたいのではなくて、生命回帰を呼び掛けたいのです。



自分も、「専業農家」にはなれません。少しずつ「兼業農家」の実践へと近づいていく予定です。 逆に、「専業」医療家の自分としては、医療崩壊も医療に関わる人が少ないことに起因しますので、「兼業」医療家の方々のお手伝いを求めているわけです。 「専業」芸術家だけではなく、「兼業」芸術家も必要です。「専業」建築家だけではなく、「兼業」建築家も必要です。 「専業」政治家だけではなく、「兼業」政治家も必要です。 「専業」・・家と、「兼業」・・・家。想像してみると色々と面白い。そうして、分断した溝をつなぐ水路の役割をする人が必要なのです。






物流が止まりお金の流れが止まると、やはり自分で生命を育むものを自活する必要があります。 そして、余裕ある人は、余りを周囲に分ける。 そのお返しに、受け取った人は「余裕ある別の何か」を分かち合う。 そうして共同体は生れて来たはずですし、原初の経済も生まれてきました。

経済力は、そうした様々な「力」の一つに過ぎないのですが、今はあまりにも経済「力」だけが重視される時代が長過ぎました。 経済「力」だけではなく、体力、気力、胆力、忍耐力、持久力、受容力、・・・・・この世には色々な「力」があります。本来は、そうした過不足して凸凹な「力」を、お互いに分かち合い、補い合えばいいだけです。

そうした新しい組み換えを、電力や電磁気力という目に見えない「力」の発見により生まれたネット「力」が後押ししたことで、もう一度新しいシステムをゼロから作り出す時代に来ているだけなのではないでしょうか。


色々な領域でのオンライン化は、その一つの手段でしかありません。わたしたちが本来的に取り組むべき課題は、社会システムをゼロから構築することです。そして、その新しい社会システム構築の中心には「生命」が来るはずです。



なぜゼロから作り直す必要があるか。 人間は地球に住む一員なのに、最初から地球にいた先住民の生命を無視して、後からやってきたものがズカズカ入り込み、人間の都合でシステムをつくってしまったからです。それでは「生命」の星である地球がうまく機能するはずがありません。(まあ、地方移住でもよくある話です。先に住んでいた人を敬意を持って尊重し、少しずつ距離を近づけましょう。)

コロナウイルスの介入で、すでに壊れていたものが、本格的に壊れてしまった、ということだと思います。



ところで。 人体では、腸内細菌が「食」の根幹を担っています。 他にも、ただ息を吸うだけでエネルギーを生み出すことができる仕組みも、元々は細菌が細胞内に共生したおかげ(ミトコンドリア)で、これまた細菌のおかげです。 「液体・固体の食」も細菌のおかげなら、「気体の食」も細菌のおかげ。

これほど恩恵を受けているのに、細菌やウイルスの居場所がなくなれば、困って当然です。彼らは怒っているのではなく、困っているのです。春樹風に言えば、ヤレヤレです。どんな存在にも「居場所」は必ず必要で、居場所を作ることは死活問題です。


「液体・固体の食」も「気体の食」も、生命との共生からはじまっているのなら、結局、生きることや暮らし自体も、他の生命との共生に行きつくのではないでしょうか。


なんだか「aromatopia No.159」に投稿した原稿より長くなりそうなのでこの辺で筆を置きますが、そろそろ本気で「生命を取り戻すこと」に(まずは自分自身から。自分がいつも死角になり盲点になりますので)、共に取り掛かりましょう。


他の執筆陣も、よく知っている方ばかり!

【地域医療×ツーリズム】 ・自然環境を活かした医療とツーリズムの共存〈富士山靜養園・日月倶楽部〉…WELLNESS UNION代表/朝霧高原診療所院長 山本竜隆 →統合医療の山本先生!使われている写真、自分が講演しに行った時の写真ですね!笑


【地域性×養生】 ・テーマ性のあるウェルネスプログラム〈星野リゾート〉…星野リゾート オペレーションマネージメントグループ Spa&Wellness 渡邊径子 →軽井沢を支えてきた星野リゾート! 「ホスピタル」の語源である「ホスピタリティー」に忠実な星野さんとは、ぜひとも何か一緒に実現したいです。


他にも、グリーンフラスコの林真一郎先生や、ヒルデガルト医学のペーター・ゲルマン先生。「重ね煮」のサトケンさん、などの記事も読めます~。


この号は4月25日発売で、もう少しでAmazonとかネットでも購入できるようになると思いますので、ぜひ。












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