

萬福寺 宝蔵院(京都 宇治)
先日、京都の宇治にある萬福寺宝蔵院に行った。 ここには「鉄眼版一切経版木」全6956巻があり、吉野桜に手彫りで彫った6万枚にも及ぶ膨大な版木がおさめられている。 400字詰め原稿用紙のフォーマットの最初ともされ、日本の印刷技術のパイオニアでもあり、日本で明朝体を始めたルー...


John Lennon「Walls And Bridges」(1974年)
John Lennonのアルバム「Walls And Bridges」(1974年)。 改めてLPで見ると、本当に作りが凝っている。John Lennonが超絶的なアーティストであることが分かる。 このアルバムを聞くたびに、エルトンジョン、オノヨーコの顔がちらちらと浮かぶ...


謎と謎による結合
村上春樹さんに『セロニアス・モンクのいた風景』新潮社 (2014年)という本があるように、春樹さんはモンクの音楽が好きだ。 「頑固で優しく、偏屈だけど正しい――モンクの音楽は、いつも大きな謎だった。演奏も振る舞いも「独特」そのもの。しかし、じっくり耳を傾ければその音楽は聴く...


「物語」と「音楽」の力
どんな音楽であっても物語であっても、音楽を聴く人の心の中や、神話や現代の物語を読む人の心の中では、たえず再構築や再構成が行われているような気がする。どんなに深くて目に見えなくても、そうしたプロセスは自発的に進行する。 古代のように遠い過去の世界なればなるほど、その世界は現代...


時と時の交差点で
当直中は電話で起こされまくるので、深夜テレビを見るのに最適な時間だ。 普段見ないからこそ社会勉強になる。 夜中のテレビショッピングの映像を見ていると、番組の作り方の構造自体に関心が向かう。 人間の心の死角を補いながら欲望を刺激するフォーマットなのかと、別の観点から興味深く思...


岡本太郎「迷宮の人生」
岡本太郎さんの「迷宮の人生」アートン (2004年)を再読。 Taroさんの文章は本当に素晴らしい。かっこいい。 「人生」というプロセスを、謎に満ちた答えもない永遠の迷宮としてとらえた文章だ。 岡本太郎は「表現」を狭く限定しなかった人だ。 ...


『秩父の通過儀礼 安産祈願から帯』『御伊勢講とほうそう踊り』
自分の興味で、民俗学の映像上映会を定期的にしています。 古来日本で自然と調和していた「くらし」がどういうものだったのか、、。 その記憶は芸能や祭りや文化や習俗へと変換された記憶となり、暗号を読み解かれる時をひそかに待っていると思います。...


ユングサロンにて
ユングサロンにて、下記のようなテーマで話します。 自分もユング心理学は個人的に深く学びました。 特にユングを日本に紹介した河合隼雄先生は心の底から大大大尊敬しています。 そうしたユング心理学から自分が学んだこと、医師として体を扱っているものとして、ユング心理学と身体の問題を...


Pete Seeger『We Shall Overcome Complete Carnegie Hall Concert』(1963)
Pete Seegerの『We Shall Overcome Complete Carnegie Hall Concert』(1963)を聴く。 1963年のCarnegie Hall でのLive録音のレコード。生の興奮と渦が伝わってくる。 ピート・シーガー(Pete...


「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史」東京都写真美術館
東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催中の「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編」は面白かった。お客さんが全然いなかったのが勿体ない!(別の日はもっと入っているのかなぁ?) 江戸末期から明治期の写真には、圧倒的な美しさと存在感がある。...